【児童書】『くらやみのなかのゆめ』

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

くらやみのなかのゆめ

『くらやみのなかのゆめ』

著者
クリス・ハドフィールド [著]/ザ・ファン・ブラザーズ [イラスト]/さくま ゆみこ [訳]
出版社
小学館
ジャンル
芸術・生活/絵画・彫刻
ISBN
9784097266792
発売日
2017/02/15
価格
1,628円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【児童書】『くらやみのなかのゆめ』

[レビュアー] 産経新聞社

 ■未来を描くことの大切さ

 カナダ人初の宇宙飛行士となった著者の子供時代の体験を基に、夢を持つ大切さを教えてくれる作品。

 クリスは夜、自分の部屋で寝ようとすると、暗闇が怖くてなかなか眠れなかった。しかし、宇宙船の月面到着をテレビで見たのをきっかけに、暗闇を恐れなくなる。

 〈クリスは、やみがちからづよくて、ふしぎで、うつくしいものだとおもえるようになっていました〉

 暗闇の中で宇宙飛行士を目指す気持ちが、大きく膨らんでいく。

 著者はエンジニアや戦闘機パイロットを経て、宇宙飛行士となった。3度宇宙飛行に出かけ、宇宙滞在中には、写真や動画をインターネットに投稿し、話題を呼んだ。

 本書の巻末には、「自分に何ができるかをしずかに考えたのも、くらいやみの中でした。夜のやみは、夢をうみだし、朝の光は、その夢を実現するためにあるのです」と著者からのメッセージがつづられている。

 宇宙への夢が果てしなく広がる一冊だ。(クリス・ハドフィールド作、ザ・ファン・ブラザーズ絵、さくまゆみこ訳/小学館・1480円+税)

 油原聡子

産経新聞
2017年3月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク