著者は、東大理学部卒業後、カナダ・マギル大学大学院で物理学を専攻した。つまり一見、ゴリゴリの理系人が書名のような本をいかに著すのか。
まず、文系・理系の違いについて体験を交えながら語る。数学や科学の「知識」などではなく、むしろ「知恵」とか「考え方」そのものの大切さを平易に説く。それが「理数センス」だという。
AI時代と最先端テクノロジーのとらえ方や、研究不正という科学のウラの疑い方まで、現代を生き抜くための指南が盛り込まれている。文系にコンプレックスを抱く読者には一読の価値がありそうだ。(新潮新書・760円+税)
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2017年3月19日 掲載
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