【手帖】『お言葉ですが…』シリーズ完結

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 中国文学者の高島俊男さん(80)による、古今の言葉をテーマにした名エッセー『お言葉ですが…』。その最終巻『お言葉ですが…別巻(7) 本はおもしろければよい』(連合出版)が刊行された。全18巻、22年に及ぶシリーズの完結巻となる。

 同エッセーは、「週刊文春」で平成7年から18年まで連載。単行本は文芸春秋から10巻までが出版された。その後、版元を連合出版に移して週刊誌連載時の未収録分を収めた「11巻」を刊行。20年からは同社で、書き下ろしエッセーやさまざまな新聞雑誌に執筆した文章を集めた「別巻」シリーズが始まった。

 連合出版は「筆者の高齢もあり書籍としてはこれが最終巻になるが、今後は弊社運営の専用ブログ(http://okotobasaishin.blog.fc2.com/)で随時高島さんの書くものを掲載していく」と話している。

 日頃何げなく使う言葉の意外な由来やみっともない誤用について、たいへんな博識を背景に、あるときはユーモラス、時にはバッサリ切る高島さんの名調子は、本巻でも健在。表題作のエッセーは幼少時からの読書遍歴を記したもので、田舎育ちの本好きの少年が、戦中戦後の書物欠乏体験から岩波書店的な教養主義に吸い寄せられていくものの、「古典・名作」をよくわからないままにありがたがって読むことを強いる教養主義に違和感を覚え、そこから離脱するまでが描かれる。高島さん80年の結論が、「本はおもしろければよい」であった。

産経新聞
2017年3月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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