『がんで余命ゼロと言われた私の死なない食事』
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【話題の本】『がんで余命ゼロと言われた私の 死なない食事』神尾哲男著
[レビュアー] 渋沢和彦
■“奇跡のシェフ”が選ぶ食とは
タイトルから驚かされてしまう。著者は料理研究家。末期がんを宣告され14年になる。長年、フランス料理のシェフとして腕を振るってきた。がんが判明してからは、医師から勧められた抗がん剤治療をせず、食という手段で、「生きるための試みを始めることにした」と記す。料理人という自負から自らを“実験台”にした。厳選した食材を使い、経営するレストランで体にやさしい料理を提供してきた。昨年、『奇跡のシェフ』(上毛新聞)を刊行してからは、“奇跡のシェフ”と呼ばれている。神尾さんが注目したのは、食品添加物の多い食品を避けた食事だった。「命のリセットに挑戦してみよう」と、食の改善を実践してきた。
発売1カ月にして現在5刷で6万部と好調だ。編集部には読者からの声が多数寄せられているという。担当編集者の寺西鷹司さん(29)は「著者の思いを直接的に伝えたいのでこんなタイトルになりました。しょうゆなど本物の調味料を選び、免疫力を高める食事にこだわっているところが共感を呼んでいるのかもしれません」と話す。薬が効く人もいれば効かない人もいる。それぞれ違うのであくまでも参考に。(幻冬舎・1100円+税)
渋沢和彦