『洋食ウキウキ』
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洋食の思い出は「あこがれ」とともに
[レビュアー] 図書新聞
本書は基本的には洋食店ガイドだが、書名にすべてがあらわれている。洋食って、ウキウキするものじゃないですか。ランチョンマットとか、輝くナイフ、フォーク、スプーンとか、見たことない器に入って料理がサーブされることとか。ある種の「あこがれ」とともに、洋食(とその店)が思い出になっていることって、よくあると思う。本書で言及されていないローカル洋食店として忘れられない店がある。埼玉県・与野の「クック」。いま検索したら、まだ健在のようだ。本書を読むまでその店のことを忘れていたが、「アンサンブル」という盛り合わせとか、卓上に置いてある薬味用の容器などの写真を見ていたら、幼少期の思い出が煮えたぎるように甦った。親に連れられてではなく、今度は妻を連れて行こう。あーお腹すいた。(1・10刊、三一八頁・本体一〇〇〇円・中公新書ラクレ)