日本の教会で使われていた歌集を再現 現行『讃美歌』のルーツたどる

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

日本の教会で使われていた歌集を再現 現行『讃美歌』のルーツたどる

[レビュアー] キリスト新聞社

 日本基督一致教会と日本組合基督教会による初の共通歌集である『新撰讃美歌』。島崎藤村や国木田独歩などの日本近代文学にも影響を与えてきた。1888年(明治21年)に楽譜なしで出版され、2年後の90年に全曲の楽譜が付され、部分的に改訂された。

 全曲の歌詞の校注を行った『新体詩 聖書 讃美歌集』(新日本古典文学大系明治編第12巻、岩波書店、2001年)に基づき、新たな解説を付したものがこの文庫版。全286曲のうち30曲の楽譜も収録している。

 日本基督教団讃美歌委員会編『讃美歌』(1954年)の約100篇、同『讃美歌21』(97年)の約50篇が『新撰讃美歌』にそのルーツをたどることができるという。注には54年版『讃美歌』とのメロディーや歌詞の共通性、近似性などが指摘されており、両者を比較してみるのも面白い。

キリスト新聞
2017年4月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

キリスト新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク