小林秀雄と人生を読む夕べ【その6】文学を読むIII:『対談・大作家論』(第2回/全6回)

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 日本の近代批評の創始者・確立者として大きな足跡を残した小林秀雄は、深い思索と気風(きっぷ)のよい文章で、人生の教師としても仰がれ慕われました。その小林秀雄の主要な作品を順次取り上げ、小林秀雄とともに人生を読み味わっていく集いです。

 ご案内は、編集担当者として小林秀雄にじかに接していた新潮社の元編集者、池田雅延氏です。
 前半50分は各回の対象作品について池田氏がお話しします。後半40分は出席者全員での茶話会とし、池田氏が質問にお答えしたりしながら小林秀雄をより身近に感じるひとときを過ごします。

 講座「小林秀雄と人生を読む夕べ」、4月から始まった6回シリーズ<文学を読む>の第2回は、昭和23年(1948)46歳の年に行った正宗白鳥との対談『大作家論』を読みます。
 小林秀雄は生涯にわたって3人の作家に最大の敬意を払い続けました。志賀直哉、菊池寛、そして正宗白鳥です。白鳥の場合は、たとえば島崎藤村の小説のツボをぴしっと押えて読みぬく直観力、そしてその島崎藤村という人間の急所をさっと見て取りさらっと描きだす文章力に感じ入り、編集者として籍をおいていた創元社から白鳥の「作家論」2冊を出して大好評を得るなどしました。
 この『大作家論』は、そういう小林秀雄が単刀直入に正宗白鳥の本音を聞きだし、自分の本音もさらけだした奔放な対談で、小林秀雄は文学のどこに眼をつけ作家の何を面白がっていたかが手に取るようにわかります。講座ではそのあたりを詳しくお話ししたいと思います。

■日時:2017年5月18日(木) 18:50~20:30
■会場:la kagu(ラカグ)2F レクチャースペースsoko
■参加方法:https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01c1cxyuwxyq.html

小林秀雄(こばやし・ひでお)
明治35年(1902)4月、東京に生れる。昭和4年(1929)27歳の夏、「様々なる意匠」によって文壇にデビュー、以来ほぼ半世紀、日本の近代批評の創始者、確立者として歩み続けた。昭和42年11月、文化勲章受章。昭和58年3月死去、80歳。

池田雅延(いけだ・まさのぶ)
昭和45年(1970)、新潮社に入り、「本居宣長」をはじめとする書籍の編集を通じて小林秀雄の肉声を聞き続けた。小林亡き後も第5次、第6次「小林秀雄全集」を編集、第6次全集では本文を新字体・新かなづかいで組み、全作品に脚注を施すなどの新機軸を打ち出した。

2017年5月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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