主演の黒木華さんをはじめ「みをつくし料理帖」の世界を彩る豪華出演陣!
澪を演じるのは黒木華さん
放送迫るドラマ版「みをつくし料理帖」。主演の黒木華さんは澪について、「どんな困難にも必死に、丁寧に向き合う姿に心をうたれました」と語っているが、その姿は澪そのもので、これ以上にないハマリ役と評判です。取り巻く出演陣も物語の世界観を盛り上げること必至。
澪・黒木華
大坂生まれの女料理人。幼いころ両親を水害で失い、「天満一兆庵」へ奉公。これをきっかけに料理の道を進み、今は江戸の「つる家」で腕をふるう。
小松原・森山未來
「つる家」の常連客の武士。澪の料理に対して本質をついた批評をしながら澪の料理人としての道筋もつけていく。その深い愛情に澪は惹かれていく。
永田源斉・永山絢斗
父は御典医だが、自身は町医者として生きている。医者の立場から澪の料理に助言を与え、励ましていくうちに、澪に一途な思いを抱くようになる。
あさひ太夫・成海璃子
「翁屋」の花魁。吉原一の美貌を持つと言われながら、表には姿をあらわさないため“幻の花魁”とも。その人間性から他の遊女たちに慕われている。
又次・萩原聖人
吉原「翁屋」の料理番。あさひ太夫を自分の命さえ厭わないほど大切に思っており、あさひ太夫が口にするものにも毎回気を使う。
【澪を囲む人々】
おりょう・麻生祐未
澪と芳が住む長屋の住人。気風が良く、やがてつる家を手伝うようになる。
菊乃・柳生みゆ
「翁屋」の新造。あさひ太夫に助けられて以来、あさひ太夫を慕っている。
清右衛門・木村祐一
売れっ子の戯作者。澪の料理を厳しく批評するが、実はつる家の大ファン。
坂村堂嘉久・村杉蝉之介
版元「坂村堂」の店主。美食家の清右衛門につる家を紹介する。
【つる家】
種市・小日向文世
「つる家」の主人。澪を温かく見守り、応援する。
ふき・蒔田彩珠
「つる家」の下足番。澪を姉のように慕っている。
【天満一兆庵】
芳・安田成美
「天満一兆庵」元女将で澪は“ご寮さん”と呼ぶ。
嘉平衛・国広富之
澪の料理の才を見抜いた「天満一兆庵」主人。
佐兵衛・柳下大
「天満一兆庵」の一人息子。江戸で行方不明に。
一足おさきにドラマプレビュー
あの名場面が実写で蘇る! 澪が生みだす数々の料理にも注目
脚本は藤本有紀
第一巻『八朔の雪』から『天の梯』で完結するまで五年。その間、わがことのように澪の成長を見守ってきた原作ファンがドラマ化に際して望むのは、髙田郁ワールドの再現だろう。脚本を担当する藤本有紀さんは、「ちかえもん」(木曜時代劇・NHK)で向田邦子賞を受賞した実力派。台本を見ると、読者の多くの心に刻まれているであろう数々の名場面が印象的に描かれ、期待大である。そして作品の影の主役ともいえる料理は、江戸の料理に詳しくテレビなどでも活躍する日本料理研究家の柳原尚之氏が指導。澪の想いも形にしてくれるに違いない。
【第一回 解説&みどころ】
文化十年秋。坂村堂に連れられ「つる家」に来た清右衛門は、澪の作った鰹の時雨煮に腹を立て手もつけずに帰ってしまう。江戸では戻り鰹は〝猫跨ぎ〟と呼ばれ嫌われていたからだ。そんなある日、店を訪れた小松原は種市の勧めで鰹の時雨煮を口にする。すると、「おもしろい」と意外な言葉でその味を評したのだった……。黒木華さんが完全再現する“下がり眉”と木村祐一さん演じる清右衛門のキレっぷりは必見!
髙田郁先生のドラマロケ現場探訪記
まだ桜の花の残る某日、NHK土曜時代ドラマ「みをつくし料理帖」の撮影現場にお邪魔させて頂きました。場所は神奈川県の緑山スタジオ。ドキドキしつつ、撮影の行われている三階へと向かいます。
廊下には町人の衣装と思しき着物が並び、脇の下駄箱には、役柄の名前が張り出されて、それぞれの履物が並んでいます。材質や鼻緒の色までが役柄に合わせられているようで、「さすがだなぁ」と感心してしまいます。
スタジオには化け物稲荷が再現されていて、ちゃんと神狐も鎮座していました。苔むした石の彫り物にしか見えない神狐ですが、発泡スチロールを加工した、と伺ってビックリ。美術さんの工夫と苦労がしのばれました。
つる家のセットでは、種市が小松原さまにちろりの酒を注いでいます。実は小日向文世さんと森山未來さんなのですが、もう役柄そのものにしか見えません。種市の愛嬌、それに小松原さまの味わいある佇まい。文字で綴った物語が立体的に組み上がっていくような、何とも言えない高揚を覚えました。
そして、澪の登場。あ、いえ、黒木華さんなのですが、もうどこから見ても澪にしか見えないのです。第一巻『八朔の雪』に澪の風貌を描写しましたが、そっくりそのままです。ここまでドンピシャなひとがいるのか、と作者でありながら狼狽えてしまいました。
出番のあった役者さんは先の三名。けれど、撮影現場のスタッフさんはおそらく四十名以上。皆が心をひとつにして、撮影は続けられます。スタジオの片隅に身を置き、その様子を見守りながら、「何て幸せなんだろう」と感無量になりました。
五月十三日からスタートする「みをつくし料理帖」、作者自ら全力でお勧めしますので、皆さま、是非、是非、ご覧くださいませ!
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