【手帖】街をアートで変える

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 アートによる地域の活性化が注目され、全国の自治体関係者の視察が相次いでいる「ファーレ立川」(東京都立川市)。その街づくりの歩みをつづった『ファーレ立川パブリックアートプロジェクト 基地の街をアートが変えた』(北川フラム著、現代企画室・2200円+税)が刊行された。著者はこのプロジェクトのアートプランナー。

 「ファーレ立川」は米軍基地跡地の再開発で平成6年に誕生した地区。オフィスやホテルなどがあり、各所に彫刻などが配されている。植木鉢を思わせる派手で巨大な作品もあれば、歩道の一部となって目立たないものも。その数は100点以上あり、無機的な都市に潤いを与えている。主だった作品を丁寧な解説とともにカラー写真で紹介する。

 一般的に公共彫刻はそれほど注目されることはない。ここでは市民ボランティアによるガイドツアーが継続的に実施され、募金などで作品のメンテナンスも行われている。地道な活動で徐々に親しまれ、愛される作品となっていった。市民、事業者、行政が一体となった取り組みの軌跡が浮き彫りとなる。

産経新聞
2017年5月14日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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