又吉2作目小説の主人公はダメ男? オリラジ藤森も「あんな同性許しません!」

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又吉直樹さんの2作目『劇場』の初版は30万部

 5月13日放送のTBS「王様のブランチ」のブックコーナーでピース・又吉直樹さんの2作目の小説『劇場』(新潮社)が特集された。小説の主人公のダメ男っぷりに「チャラ男」オリエンタルラジオの藤森慎吾さんも「あんな同性許しません」と息巻いていた。

 今作は又吉さん初の恋愛小説だ。又吉さんがエッセイで書いた過去の失恋話を読んだ編集者の勧めにより今作は書かれたという。『劇場』の主人公は売れない劇作家。女優を目指す女性との恋愛が描かれる。2人は付き合い出すもすぐに彼女は女優への道を諦め、主人公を支える側へとまわる。夢と現実の間での葛藤が丁寧に描かれ、2人は寄り添いながらも傷つけ合い、変わってゆく。

 彼女は働きながら主人公を支える。しかし主人公は劇作家として売れることもなく、だらだらと「ヒモ」のような暮らしを続けてしまう。一緒に暮らす部屋の光熱費さえ払えないばかりか、彼女の母親に対し暴言を吐く、彼女の友人を酷評する、他の劇団を観に行った彼女に嫉妬する――。主人公の器が小さく嫉妬深い言動が描かれる。

『劇場』を既に読み、主人公のダメ男っぷりに呆れた藤森さんは「先生に一言もの申したい」と息巻いた。「永田みたいな男性を100%嫌じゃないと女の子が言うのが意外すぎる。オレは大っ嫌いですから。あんな同性いたら許せませんしね」と笑いながらも苦言を呈した。ただ「又吉さんは嫌なやつじゃないですけどね」とフォローもしていた。

 又吉さんは「僕は(光熱費を)払いますよ」と苦笑しながらも、そんなダメ男を描いた理由を「『モノを創る人間』としてあそこまでワガママになりきれるというのは、ある意味『弱さ』でもあるけど『強さ』でもある」と語る。又吉さんは「皆嫌いと言うが実は俺はお前のその部分は好きやねんな」と創作者の持つ強烈なエゴへの憧れと尊敬を口にしていた。

王様のブランチ」はTBSにて毎週土曜日9:30から放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2017年5月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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