前代未聞のプロジェクト 内田康夫の後を継ぎ「浅見光彦」が書ける!

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 5月23日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は又吉直樹の第二作目の小説『劇場』が獲得した。
 第2位は『蜜蜂と遠雷』。第3位は『か「」く「」し「」ご「」と「』となった。

 4位以下で注目は10位にランクインした『孤道』。内田康夫さんの浅見光彦シリーズ最新作。同作は毎日新聞の夕刊で連載されていた小説だが、内田さんが脳梗塞で倒れてしまい、2015年に中断していた。内田さんは今年3月に書き続けることが難しくなった、と休筆を宣言した。それにより『孤道』も未完のまま出版された。同時に「『孤道』完結プロジェクト」が発足した。未完の『孤道』を引き継ぎ完結させてくれる作品の募集を開始したのだ。内田さんは同プロジェクトのウェブサイトで「未だ世に出られずにいる才能ある方に完結させてもらうということでした」などとコメントを発表した。前代未聞の試みだけに同プロジェクトの行く末にも注目が集まっている。原稿の締め切りは2018年4月末日まで。腕に覚えのある方は投稿してみてはいかがだろうか。

1位『劇場』又吉直樹[著](新潮社)

演劇を通して世界に立ち向かう永田と、その恋人の沙希。夢を抱いてやってきた東京で、ふたりは出会った――。『火花』より先に書き始めていた又吉直樹の作家としての原点にして、書かずにはいられなかった、たったひとつの不器用な恋。夢と現実のはざまでもがきながら、かけがえのない大切な誰かを想う、切なくも胸にせまる恋愛小説。(新潮社ウェブサイトより)

2位『蜜蜂と遠雷』恩田陸[著](幻冬舎)

俺はまだ、神に愛されているだろうか? ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。著者渾身、文句なしの最高傑作!(幻冬舎ウェブサイトより)幻冬舎の月刊PR誌「PONTOON」にて連載された音楽小説。数多の個性的な天才たちが鎬を削るピアノコンクールがドラマチックに描かれる。

 BookBangでは書評家の杉江松恋さんと倉本さおりさん、作家の朝井リョウさんによる書評が掲載されている。

杉江松恋さん(書評家)レビュー
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ピアノコンクールで鎬を削る天才たち…恩田陸が描く音楽小説
 才能と情熱の小説である。
 恩田陸『蜜蜂と遠雷』は、国際ピアノコンクールを主舞台として描かれる音楽小説であり、演奏行為を通じて、さまざまなことが綴られていく。…
https://www.bookbang.jp/review/article/519375
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倉本さおりさん(書評家、ライター)レビュー
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本屋大賞が投票締切 やはり本命はこれか!
『蜜蜂と遠雷』は、ピアニストだけでなく、ステージマネージャーや調律師、取材スタッフなど、コンクールを支える側の人間たちの姿まで細やかに描けていることも見逃せない。…
https://www.bookbang.jp/review/article/527584
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朝井リョウさん(作家)レビュー
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小説の魅力すべて凝縮
 読書面が日曜の朝刊で本当によかった。五百ページ超えの二段組、大ボリュームのこの物語は、読み終わるまで私たちを放してくれない。休日に一気読みすることをオススメする。…
https://www.bookbang.jp/review/article/521681
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3位『か「」く「」し「」ご「」と「』住野よる[著](新潮社)

みんなには隠している、ちょっとだけ特別なちから。別になんの役にも立たないけれど、そのせいで最近、君のことが気になって仕方ないんだ――。クラスメイト5人の「かくしごと」が照らし出す、お互いへのもどかしい想い。ベストセラー『君の膵臓をたべたい』の著者が贈る、眩しくて時に切ない、共感度No.1の青春小説!(新潮社ウェブサイトより)

4位『素敵な日本人 東野圭吾短編集』東野圭吾[著](光文社)

5位『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和[著](サンマーク出版)

6位『ツバキ文具店』小川糸[著](幻冬舎)

7位『騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編 第2部 遷ろうメタファー編』村上春樹[著](新潮社)

8位『かがみの孤城』辻村深月[著](ポプラ社)

9位『この嘘がばれないうちに』川口俊和[著](サンマーク出版)

10位『孤道』内田康夫[著](毎日新聞出版)

〈単行本 文芸書ランキング 5月23日トーハン調べ〉

BookBang編集部

Book Bang編集部
2017年5月27日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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