【児童書】『アンダーアース・アンダーウォーター 地中・水中図絵』

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【児童書】『アンダーアース・アンダーウォーター 地中・水中図絵』

[レビュアー] 篠原知存(ライター)

 ■見えない世界を絵本で探検

 5歳の次男がいま夢中なのが、いろんなものをバラバラにすること。フタを見れば開けたがり、ネジを見れば回したがり…中身が気になってしようがない。地中と水中をテーマにしたこの大判絵本には、そんな年頃の子供が大喜びの断面図がいっぱいだ。

 たとえば世界で最も深い「クルーベラ洞窟」。探検には数トンもの用具や食料、水などを運び込む。〈2197mの深さに到達したのち、探検隊が機材をすべてもって地上にもどるまでには、2週間かかった〉。迷路のようにくねくねした細い線と、ところどころに配された探検隊員の絵を見れば、その途方もない規模が直感的にわかる。

 本は表裏どちらからも読めて、片方は地中へ。動物の巣穴や植物の根、それから地下室、トンネル、化石、鉱山…。反対側から開くと水中へ。潜水服、潜水艦、巨大生物、海溝。どちらもどんどん深くなっていって、真ん中のページ「地球の中心」は同じ絵を共有している。大人がパラパラ眺めても、かなり楽しい。(アレクサンドラ・ミジェリンスカ&ダニエル・ミジェリンスキ著/徳間書店・3200円+税)

 篠原知存

産経新聞
2017年5月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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