うつ病寸前の大手企業管理職から、脱サラ農起業で年収2千万、週休5日に。ブルーベリー観光農園オーナーになった男の話

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■農業に転職したら年収が2ケタ下がる?

大手企業の管理職の座を捨てて未経験の農業に挑戦する――そう宣言したときには皆に「正気か!?」と言われたものです。「年収が2ケタ下がるぞ」とも。

しかし、実際に脱サラし「ブルーベリーファームおかざき」という観光農園を立ち上げてから10年経った今、私の年収は下がるどころか2千万円にまでアップしています。それだけでなく、昼も夜も働きづめだった管理職時代からはとても考えられないことに、農園をオープンするのは1年のうちたった60日あまり、それ以外のシーズンはほぼ週休5日という悠々自適な暮らしを実現しているのです。

私にだけ特別な才覚があったわけではなく、やり方さえ知れば誰にでもできる可能性があるのです。

500円玉大のブルーベリーが収穫できることも
500円玉大のブルーベリーが収穫できることも

■うつ病寸前だった大企業の会社員時代

まるで夢物語のようだと思われるでしょうか。

20年勤めたデンソーという大手企業の管理職で年収1千万円というポジションを手放し、イチから農業をはじめるという決断に至るまではかなり悩みました。しかし、現実には自分のプライベートな時間はほとんどない、余裕のない生活でした。

毎朝、殺伐とした満員電車に揺られ、社内を見渡してもあこがれるような理想の上司はまったく見当たらず、中間管理職ゆえ上司と部下の顔色ばかりうかがって、先に進むほど狭くなる道を歩いているような感覚。

自分を責めて苦悩する日々が続き、このままでは自分が壊れてしまう、うつ病が他人事ではない、そんなところまで追い込まれていたのです。そんな中、とうとう「組織に縛られずに生きたい」という想いが抑えられなくなり、清水の舞台から飛び降りる気持ちで会社を辞め、夢だった農業に携わる生活を選ぶことを決意しました。

■どん底のサラリーマンからブルーベリー農園オーナーへ転身

みなさんもこれまでの人生の中で、「こんな仕事がしてみたい」「これで飯が食えたら幸せだな」と思ったことが何度かあるのではないでしょうか。私が大好きで選んだ仕事は農業。もともと子どもの頃から動物、昆虫、植物を育てることが大好きで、その成長を見守ることにこの上もない喜びを感じました。だから農業で起業することになんの迷いもありませんでした。農業のキャリアもなく、まったくの異業種参入にもかかわらず、どうしてそんなに思い切ったことができたのかと聞かれますが、もう誰にも指図されずに自分の思った通りに進められると考えたら、ワクワクが止まらなかったのです。

私が運命的な出会いをしたのはブルーベリーでした。私がオープンした農園「ブルーベリーファームおかざき」は2008年7月の開園初年度から行列ができる観光農園として大ヒットしました。いまではひと夏1万人のお客様をお迎えする東海地方随一のブルーベリー狩り観光農園になり、メディアの取材が殺到する夏の味覚狩り観光スポットとなりました。

安定した仕事を手放し、好きな農業へ踏み出したことによって私の人生は一気に好転しました。どん底だったサラリーマン管理職時代から今日に至るまで、私は人生最大かつ貴重な気づきや学びをたくさんしてきました。まったくの異業種起業であっても、経営はすぐに軌道に乗りました。なぜすぐに上手くいったのかについては、ぜひ本書をお読みいただければと思います。

ベビーカーでもハイヒールでも行ける農園。右が著者
ベビーカーでもハイヒールでも行ける農園。右が著者

【目次】
プロローグ
Chapter1 なぜブルーベリーだったのか?
Chapter2 理念、戦略、ブランディング
Chapter3 めざすは生産性の高い農業
Chapter4 無人栽培
Chapter5 観光農園システム
Chapter6 IT集客
Chapter7 農業を志す方へ
Chapter8 人生を変えたいあなたへ

畔柳茂樹
愛知県岡崎市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。自動車部品世界No.1の株式会社デンソーに入社。40歳で事業企画課長に就任したが、ハードワークの日々に疑問を持つようになり、農業への転身を決意。2007年45歳で年収1千万円の安定した生活を捨て独立し、観光農園「ブルーベリーファームおかざき」を開設。起業後は、生産性の発想が乏しい農業界で、効率化、収益性などを厳しく求められるデンソー時代に培ったスキルを生かし、栽培の無人化、IT集客など様々な施策を打つ。今ではひと夏1万人が訪れる地域を代表する観光スポットとなる。わずか60日余りの営業にもかかわらず、会社員時代を大きく超える年収を実現。近年は観光農園プロデュースに取り組み、被災地復興事業として気仙沼にも観光農園に携わった。これらの経歴・活動がマスコミで注目され、取材・報道は100回を超える。

かんき出版
2017年6月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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