ムロツヨシ 初の著書で4歳で別れた母との思い出など半生を明かす[ゴロウ・デラックス]

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 稲垣吾郎さん(43)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」に6月23日、喜劇役者のムロツヨシさん(41)が出演した。ムロさんの「喜劇」に対する思いが明かされた。

■ムロツヨシ初の著書

 この日の課題図書はムロさんの著書『ムロ本、』(ワニブックス)。同書はムロさんが月刊誌でブレイク前から書き続けた連載をまとめた本。自身の壮絶な人生をモチーフにした小説や、オリジナルの劇台本、芸能界の交友関係まで全400ページ。喜劇役者・ムロツヨシの全てが詰まった一冊だ。

■あえて「喜劇役者」と名乗る理由

 番組に登場したムロさんはまず、自分で「喜劇役者」と名乗ることについて解説した。ムロさんは自分が子供の頃は喜劇役者がいた、と植木等や渥美清など往年の名優の名前をあげる。しかし今ははっきりと喜劇役者と名乗る人はいない。そこで自分は「喜劇をずっと舞台でやっていきたい」という思いがあるため、あえて自分から名乗ることにしたという。またこれは後述する「全てを喜劇と思いたい」というところからも来ているようだ。

■壮絶な人生、でも「喜劇」

『ムロ本、』にはムロさん自身の人生をモチーフにした私小説が収められている。ムロさんは同作のなかで、4歳のときに離婚してしまった両親についても触れている。母親とはそれ以来会っておらず、父親とも21歳のとき役者の道を志し、家を出てから会ってはいないという。ムロさんはそんな一見悲惨に見えるエピソードも全て「これは、喜劇」として終わらせている。

 その理由について「自分は最後死ぬときなのか、何かが終わるとき、これは喜劇だったと思いたい。」「できれば僕の記憶とか、これから作るであろう作品、そして自分が身の回りで起こせる範囲のものは、どうにかして喜劇にしたい、喜劇であってほしいという願い。自分もそうあろうという意志を皆さんに伝えるために(そう書いた)」「自分のことを書いたから最後に両親が別れようが、猫との悲しい別れも全て喜劇にして自分は捉えますという意思表示です」と語った。

 そして過去のそういった悲惨なエピソードを明かすことについて、「こんなことがあったけど今笑ってます、って思われたいんです、って捉えられかねない」と不幸自慢だと捉えられることに危惧しながらも、「自分に向けてでもいいから書いてみよう」と複雑な心境ながらも腹を括って書いたことを明かした。

■「そういう人にしかできない芝居もある」

 またムロさんが役者として食べていけなかった時代の様子も描かれる。ムロさんが本格的に映像作品に出演したのは2005年の「サマータイムマシン・ブルース」「交渉人 真下正義」の2作品。無名時代に「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督と知り合い、自分から売り込みに行った成果だった。私小説のなかで主人公は、役者をはじめて8年でようやく映画に出演することが決まり、役者を続けるために借金をしていた従姉妹や友人に、映画に出演するということを報告に行く。2人の前で涙を流す感動的なシーンが稲垣さんらによって朗読された。

 ムロさんのこれまでの苦労を知った稲垣さんは、「ほんと贅沢だけど、そういう経験は僕はしてきてないから。そういう人にしかできないお芝居ってある。それは羨ましいなと思います」と感じ入った様子。しかし「それにこだわりすぎてもいけないと思う。道が違ったと思う」と自分に課せられた立場と役割もあることを吐露するとムロさんも大きく頷いていた。

ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58から放送中。次回6月29日のゲストも引き続きムロツヨシさん。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2017年6月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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