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- お茶の科学 「色・香り・味」を生み出す茶葉のひみつ
- 価格:1,100円(税込)
緑茶、紅茶、中国茶、抹茶。あなたが一番好きな「茶」はどれでしょう。世界中で、「茶」は団らんをイメージさせ、リラックスさせるものとして長く愛されてきました。人間の文化のそばには、いつも「茶」が存在しているのです。
今日のおすすめは、『お茶の科学』。著者は食物科学者で、大妻女子大学名誉教授、お茶大学校長の大森正司氏。“いつもの安い煎茶を、高級な玉露のように変化させる淹(い)れ方”、選び方・飲み方・茶葉の食べ方(!!)までを指南してくれます。
もちろん、ネットでは探すことのできない、専門的かつ深い知識も満載。科学と銘打たれていますが、本人を目の前にお話を聞くような軽快な語り口で、サラッと読めるのも魅力的です。お茶博士の、愛と知識がたっぷり詰まった「今日から使える1冊」です。
お茶の違いはなぜ生まれるの?
本書に登場する膨大な茶の知識から、ひとつ3択問題を出題してみましょう。
【問題】ウーロン茶、紅茶、緑茶は、何の茶葉からできているでしょうか?
A. ウーロン茶の木、紅茶の木、緑茶の木からできている。
B. ウーロン茶と、紅茶の木は同じ木から。緑茶の木は日本にしかない。
C. すべての茶が、同じ木の種類から採られる茶の葉からできている。
正解は[C]。
すべての「お茶」は、同じ木の種類から採られる茶葉からできています。お茶はツバキの仲間で、学名は「カメリア・シネンシス」。ウーロン茶も、紅茶も、緑茶も、この木から作られています。違うのは製法のみ。製法によって、まったく風味の異なる茶に変化するのです。
なお、今から20年ほど前、雲南省の双江県(そうこうけん)で見つかった、樹齢3200年の「香竹菁(しゃんつーちん)大茶樹」が世界最古の木と考えられているとか。中国種のルーツ、マザーツリーと言ったところでしょうか。私達が口にしているお茶に“3200歳の母親”が存在しているとは、なんとも壮大な話です。
飲むだけではない、お茶の活用法
続いては健康面。注目したいのは、美味しいお茶を煎れたあとの「茶殻(ちゃがら)」活用です。二煎、三煎と抽出しても、茶殻に70~80%以上の栄養素が残るため、食べた方が良いのだとか。中にはβカロテン、ビタミンE、コエンザイムQ 、ミネラル類(マンガン、銅、亜鉛、セレン)と、男女問わず摂取したい栄養がたっぷり。
おすすめの食べ方はなんと、「酢醤油をかけた、茶殻のお浸し」。しかも、使えるのは、煎茶(一番茶)までだと言います。2番茶、3番茶は太陽を長く浴び、茶葉が硬くなっているため、お浸しには向かないそう。2番茶、3番茶は、「おかか、じゃこ、ごまと混ぜてふりかけに」するのが良いようです。ぜひ実践してみてくださいね。
他にも、
・製造方法や発酵について
・遺伝子研究にみるルーツ
・喫茶文化のはじまり
・静岡がお茶の名産地になった理由
・おいしいのは硬水or軟水?
・カテキン・カフェイン・テアニンとの関係は?
などなど、お茶に関する知識と情報が詰まっています。
筆者がおすすめしたいエピソードは、“お茶の香りや美味しさをソムリエのように言葉で伝えるために、どう表現すべきか?”。「水色・香気・滋味・茶殻」で善し悪しを見ていくのですが……ぜひ本書でご確認ください。
今は世界的な日本茶ブーム。このタイミングで知識を持っておけば、グローバルなコミュニケーションの場で、一目置かれる存在になるかもしれません。
お茶が100倍楽しく、美味しくなる『お茶の科学』。食知識のブラッシュアップに、トリビア吸収に、毎日の健康と美容に、オススメです。
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