【手帖】「日活１９７１－１９８８」出版

　日活がロマンポルノをスタートさせたのが昭和４６年。４５周年に当たる昨年には、リブート（再起動）プロジェクトとして５本の新作が製作されたが、そんな記念企画の一つとしてワイズ出版から刊行されたのが「日活１９７１－１９８８　撮影所が育んだ才能たち」だ。

　ロマンポルノから撤退する昭和６３年まで全作品のフィルモグラフィーが網羅されているほか、監督やプロデューサーらスタッフから、スクリーンを彩った女優、男優まで総勢１０８人が、エッセーやインタビュー、対談などで当時を振り返る。その言葉の端々からは、ロマンポルノへの熱い思いがほとばしる。

　予算も限られる中、どのように映画づくりが行われていたかを知る貴重な記録集といえるだろう。と同時に、これだけの数の証言者をそろえたことに、編集を手がけた出版スタッフの並々ならぬ意気込みがうかがえる。４６２５円（税別）。