「こちらの商品はとても人気が高いので、お客さまにもおススメです!」はNG!
「売る気満々」で説明するから売れない
「商品説明」を売り込みの場と考えている営業マンは多いですが、それは間違いです。商品説明とは「事前のヒアリングで得た情報をもとに、相手にフィットした提案をして、買うかどうかを判断してもらう」ことです。
売りたい気持ちはわかりますが、「売る気満々」の説明では売れないばかりか、お客さまのガードをかえって固くして、ついには説明を聞いてもらえなくなります。お客さまは、商品を買うかどうかを、営業マンの強引な勧めによってではなく、自分で判断して決めたいと思っています。その判断の材料を提供するのが、商品説明の役割です。
判断材料を上手に見せる
成果を出す営業マンは、お客様に判断材料を見せるのがとてもうまいのです。
「野菜をたくさん収納したいということでしたので、この冷蔵庫は特大サイズの野菜室があります」
「電気代が気になるとおっしゃっていましたので、40%までの節電モードをそなえた商品がこちらです」
(118ページ)
あらかじめヒアリングした相手の要望や優先順位を加味した説明をすると、お客さまは判断しやすくなります。説明するとき、「お勧めです」「ぜひ買ってください」といった言葉は避け、事実を淡々と並べるのがコツです。
商品説明は売り込みの場面ではありません。できる営業マンは、材料だけを示し、最後はお客様に決めてもらうのです。
「そこをなんとかなりませんか?」はNG!
粘れば粘るほどお客さまに嫌われる
営業は気合と根性で売るものだという風潮がいまだに残っています。「断られてからが勝負」という指導を、マネジャーから受けている営業マンもいるかもしれません。
「そこをなんとか」と粘って売れていた時代もたしかにありましたが、いまは、そのような押しの強い営業はもっとも嫌われる時代です。
お客さま「いらないよ」
営業マン「いや、そう言わずにお願いしますよ」
お客さま「いらないから」(イライラ)
営業マン「そこをなんとかなりませんか?」
お客さま「本当にいらないから、もう帰ってくれ!」(怒り)
(143ページ)
これでは売れないうえに、嫌われて二度と訪ねられなくなるでしょう。顧客を失った埋め合わせのため、ゼロからの新規開拓に時間を割かなくてはならなくなり、「売れないスパイラル」に入ってしまいます。
買わない人もすべて大事な顧客である
渡瀬氏は、「絶対に買わない」というお客さまとも仲良くしていたそうです。そのうち相談に乗ってくれたり、いろんな人を紹介してくれたりしてとても助かったとか。
売れる営業マンはこのように、過去に買ってくれなかったお客さまともいい関係を築いています。いずれ買ってくれるタイミングがくるかもしれないことを知っているからです。また、トップセールスに紹介からの売上が多いのもこのためです。
目の前の売上ばかりに固執するあまり、無理に粘って、お客さまとの縁が切れてしまってはいつまでも売れる営業マンにはなれないでしょう。お客さまとの関係は長いスパンで見るのが、成果を出す秘訣です。
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