2 「コミュニケーション能力の高い専門家」
「専門家」と聞くと、専門的な知識をもつ一方、コミュ力が低いというイメージがあるかもしれません。しかし、いくら知識があってもそれを他者に伝えることができないかぎり、価値を生み出さないともいえます。
現代では、誰もが何らかの専門家であることが仕事において求められます。つまり「何かに特化した知識」をもち、その知識を他者とシェアし利用してもらえる「コミュ力」をもつ人が歓迎されるのです。
3 すべての社員が「リーダーシップ」をもたなくてはならない
「たぶん学生さんはリーダーシップを勘違いしていると思いますが、リーダーシップとは、リーダーをやったかどうか、人を使った経験があるかどうかで判断されるのではなく、『成果に対する責任をどこまで積極的に引き受けようとするか』という態度の問題です」(60ページより)
上司よりも現場のほうがはるかに知識をもち、ときとして現場の社員が意思決定をする必要がある場面が、往々にしてあります。そのために必要なのが「リーダーシップ」です。ただし、ここも誤解してはいけないのが「リーダーシップ=人を率いる力」ではないということです。「私が責任を引き受ける」という態度を立場に関係なくもつことがこれまで以上に望まれるようになっています。
以上3点をもとに、あらためて「コミュ力」について考えてみると、現代のビジネスシーンで求められる能力がわかってきます。
これからは、「コミュ力」が最も貴重な能力となる時代になる
ある研究者は「コミュ力」について、こういったそうです。
「コミュニケーション能力の本質は、人のつながりをつくり、影響を与える力だ。コミュニケーション能力の高い人は他者への影響力が大きい人、ということになる」(63ページより)
たとえば、いうことがわかりやすかったり、メッセージ性の強い言葉で、ほかの人に何らかのアクションを促せる。一般人でもTwitterのフォロワー数が10万、20万と言う人であれば、実際に会ったことのない多くの人のニーズをくみ、皆が喜ぶものがつくれたりする。そんな「コミュ力」の高い人の重要性が増してきています。
単純作業はコンピュータが代替し、ある程度、高度な作業もAIがこなせるようになった今、人間“だけ”の価値あるスキルが「コミュ力」となる時代が目の前に来ているのです。
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『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」は どう身につければいいのか?』には、他にも「知らないふりをしたほうが会話はうまくいく」「話が浅いと感じる4パターン」「自慢話を聞いてもイラつかないで済む方法」など、コミュニケーションがうまくいくためのノウハウが紹介されており、あらたな気づきを得る1冊です。
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