あいまいな声かけはNG! 発達障がいの特性を理解して、子どもの「できる」を育てよう――親子でもっと笑顔になるためのヒント

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この子はどんな特性をもっている?(photo by acworks/photoAC)

「何度注意しても、うちの子は同じことを繰り返すばかり」「この子にできることはあるんだろうか」

発達障がいの子をもつ親は、このような不安をもち、気づけば叱ってばかりの毎日となることが少なくないようです。しかしどんな子でも、大好きなお母さんとお父さんの笑顔のために、毎日新しいことを吸収しながら成長しています。

精神科医として「ATARU」「僕の歩く道」など多くのテレビドラマの医事監修をつとめ、発達障がい全般の専門家でもある西脇俊二先生によると、発達障がいの子の特性を理解し適切な方法でサポートすれば、歩みは遅くとも少しずつできることが増えていくそうです。

先生の著書『発達障がいの「子どもの気持ち」に寄り添う育て方』を参考に、子どもを正しくサポートする方法を見てみましょう。

発達障がいの子どもが「苦手なこと」「得意なこと」

生活・学習面や行動面などで、年齢に応じた発達の遅れにより「得意なこと」と「苦手なこと」の差が極端に目立つ子がいます。医学的には、このような“特性”を「発達障がい」と呼び、主に次の3つが代表として挙げられます。

・アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障がいに含まれる障がいの一つ)

特性:コミュニケーションや対人関係、社会性の障がい。パターン化した行動を好む。興味、関心のかたよりやこだわりが強い。

・ADHD(注意欠陥・多動性障がい)

特性:集中できない。多動、多弁でじっとしていられない。考えるよりも先に動く。

・LD(学習障がい)

特性:「読む」「書く」「計算する」などの能力の習得が極端に苦手。

発達障がいは、脳の一部の機能がうまく働かないことが原因で起きる症状であり、決して親の育て方や子どもの「やる気」に起因するものではありません。苦手なことも多い一方で、得意なことには集中力を発揮して取り組むなどのいい面も多く、こうした特性を強みに社会で活躍する人もいます。

発達障がいの子どもは、世の中で「当たり前」とされている、目に見えないルールや言葉の意味を察するのが苦手です。そのため、親や先生からいくら注意されても、何に対していわれているのかを理解できず、「自分なりに頑張っているのに、いつも怒られてばかり」と、生きづらさを感じることも少なくありません。

真面目で頑張り屋のお母さん、お父さんは、子どものできないことに目がいってしまいがちですが、できることにフォーカスして子どもと接することが大事です。

あいまいな言葉は使わない

発達障がいの子どもは、親からいわれた言葉が理解できないことがあります。

たとえば、アスペルガー症候群の子どもは、表情や様子から察することができないので、「これ・それ・あれ」などのあいまいな指示では理解できません。ADHDの子どもは何かに注意を向けているとき、声をかけても耳に入らないことが多いです。また、長く説明されると話の趣旨がつかめないこともあります。

こうした子どもに指示を出すときには、必ずそばへ行き、子どもの顔を見ながら話しかけるようにすることがポイントです。また、長い説明は避け、短い言葉で指示を出します。

ご飯の時間に子どもが遊びに熱中しているとします。そんなときはまず、子どもの視界に入ります。そして「今からお母さんが話すことを聞いてね」と声かけをし、「ご飯ができたよ」と目を見ていいます。子どもが理解できたら、次に「キッチンからお皿を机の上にもってきてね」とお願いするといった順番です。

大切なポイントとしては、一度に2つのことができないので、必ず指示する内容は1回につき1つにします。そして、1つ作業ができたら、「ありがとう」といい、次の指示を伝えるようにしましょう。

苦手なことはポイント制で行動させよう

人間は誰しも、ものごとにメリットを感じると、行動を続けやすくなります。反対に、苦手なことややりたくないことからは逃げてしまったり、先延ばしにしてしまいがちです。たとえば、ダイエットをしようと決意しても、ついつい甘いお菓子の誘惑に負けてしまうのは、「おいしい」というメリットを優先してしまうからです。

これは子どもも同じです。宿題に手をつけずにゲームばかりしているのは、「楽しい」というメリットがあるから。そんなときに「遊んでばかりいないで宿題をやりなさい」と叱ったところで、効果はありません。叱るのではなく、宿題をやることに子どもがメリットを感じるような提案をしましょう。

そのときに、役に立つのが「ポイント制」です。

日本実業出版社
2017年9月14日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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