『ヘンな浮世絵 歌川広景のお笑い江戸名所』

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ヘンな浮世絵

『ヘンな浮世絵』

著者
太田記念美術館 [監修]/日野原 健司 [著]
出版社
平凡社
ジャンル
芸術・生活/絵画・彫刻
ISBN
9784582635096
発売日
2017/09/01
価格
1,870円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『ヘンな浮世絵 歌川広景のお笑い江戸名所』

[レビュアー] 産経新聞社

 江戸後期の浮世絵師、歌川広重の弟子とされるが、謎に包まれた絵師、歌川広景(ひろかげ)。本書はその代表作「江戸名所道戯尽(どうけづくし)」全50枚を紹介し、広景の全貌に迫っている。

 《そのばかばかしさが大きな特色》というように、江戸の名所を舞台に思わず脱力するユニークな絵柄の数々。野良犬の喧嘩(けんか)、鳶の油揚げ泥棒、鰻の脱走劇など「動物たちが大さわぎ」や、「とんだ大失敗」「お笑いな日常」など7テーマに分類し、解説する。

 「変顔」ともいえる表情、着想も豊か。安政~文久年間の制作で幕末の不穏な時代だからこそ好まれた-との見方もあり、興味深い。(太田記念美術館監修、日野原健司著/平凡社・1700円+税)

産経新聞
2017年9月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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