松本零士・手塚治虫・石ノ森章太郎が一斉に逮捕!?「3大アニメマニア芋づる事件」の真相[ゴロウ・デラックス]

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 稲垣吾郎さん(43)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」(TBS系)に20日、漫画家の松本零士さん(79)が出演した。収録は松本さんの自宅兼仕事場で行われ、伝説的な漫画家・松本零士が小学生の頃に描いた作品など、貴重な資料が公開された。

■松本零士が指南するマンガの描き方

 今週の課題図書は7月に刊行された『松本零士 零次元マンガの描き方』(玄光社)。日本SF漫画界の巨匠松本零士さんが、創作のテクニックを余すところなく披露した一冊だ。身近な世界を舞台にした「大四畳半シリーズ」や少女漫画、スケールの大きなSF漫画、戦記漫画まで幅広く描き分ける松本先生の創作の秘密に迫っている。単行本未収録の作品も収められた貴重な一冊となっている。

 稲垣さんは「銀河鉄道999」のキャラクター、メーテルに扮して登場。番組アシスタントの外山惠理アナウンサーは星野鉄郎に扮した。黒い喪服に長い金髪のウィッグをつけた稲垣さんは、外山アナに「似合ってますね」と言われまんざらでもない様子。「延々とこういう仕事してるからね。ちょっと久々で、こういう女装嬉しいわ。久々よ」と怪しく笑った。

■松本ワールド全開

 松本先生の自宅の庭には機関車D51の車輪が置かれ、車庫には日本にはじめて輸入されたイギリスのクラシックカー「モーガン」が鎮座。玄関には松本さんがケニアで狩猟したという「キリンカモシカ」の剥製が置かれ、のっけから松本ワールド全開。

 また戦闘機の模型をみつけた稲垣さんは「これ『隼』と『飛燕』ですよね。水冷エンジンと空冷エンジンで」とマニアックな知識を披露。父親が飛行機乗りだったという松本先生に「僕もプラモデルで作りましたよ」と声を弾ませ、2人の息はぴったり。稲垣さんは以前訪れたさいとう・たかをさんの仕事場でも銃に関するマニアックな知識を披露しさいとう先生にも感心されていた。

■3大アニメマニア芋づる事件

 また松本先生が小学校3年生のときに描いた貴重な漫画や、アニメーション制作用の自作の撮影台なども披露された。その装置を作った20代前半のころ、日本製のアニメは存在しておらず、研究のために映写機やフィルムを買っていたという。ところがそれが警察の目に止まり、映画の無断上映を行っている一味と疑われ、警察から家宅捜索を受けたという仰天のエピソードを披露した。そのとき同時に家宅捜索を受けたのが手塚治虫さんに石ノ森章太郎さんだというからこれまた仰天だ。今となっては伝説的な大御所漫画家3人が捕まりそうになった事件を「自称3大アニメマニア芋づる事件」と笑う松本先生。取り調べで刑事には研究用だと主張すると誤解は解け、最後にはアニメ制作を励まされたと事件の顛末を明かした。

 また親交のあった手塚治虫さんのアニメ「鉄腕アトム」の第1話の編集は松本先生の映写機で行われたという歴史的な事実も発覚した。手塚さんの持っていた映写機が試写の前日に壊れ、松本先生に「助けてくれ」と電話がかかってきたというのだ。手塚さんのプロダクションに松本先生が映写機を持ち込み編集を完了させ、なんとか試写に間に合ったという。稲垣さんは「先生が手助けしなければアトムの1回目はできなかったってことですよね」と感心していた。

 番組放送中からSNSでは巨匠3人の親交に注目が集まり、「松本零士でなければ語れない話」「レジェンドすぎる」「レアな話が聞けた」と漫画ファンも大いに盛り上がっていた。

■「インキンタムシに救われた男」

 また松本さんは若かりし頃「インキンタムシ」になったというエピソードも披露した。その経験を1971年にギャグ漫画「男おいどん」で描き、学生たちの共感を得て漫画は大ヒット。松本先生を金銭面で助けたのは「インキン」だったという話に稲垣さんは絶句していた。

 さらに仕事場の様子や、父親から受け継いだパイロット用の「計画定規」などが公開された貴重な番組となった。次回も続けて松本先生がゲスト。メーテルの描き方などを指南する。

 現在愛知県の豊橋市美術博物館では「漫画界のレジェンド 松本零士展」を開催中。松本先生の60年以上にわたる創作活動の歩みが紹介されている。貴重な直筆の漫画原稿やアニメのセル画、立体模型なども展示されている。22日(日)まで。

ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58から放送中。次回の放送は10月26日。

Book Bang編集部
2017年10月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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