NHKスペシャルで話題 “広島のマザー・テレサ”中本忠子さん8年間の記録

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 広島市・基町に住む中本忠子さんの活動を記録したNHKスペシャル「ばっちゃん~子どもたちの立ち直る居場所~」が書籍化された。タイトルは『ばっちゃん~子どもたちの居場所。広島のマザー・テレサ~』。

 1980(昭和55)年に保護司として活動を始めた中本さんは、シンナーをやめられない少年が「シンナーを吸っている間だけお腹が空いていることを忘れられる」という言葉をきっかけに自宅の1室を開放し、無償で食事を提供することを始める。以来40年にわたって非行に走った子どもたちを受け入れてきたことで、「広島のマザー・テレサ」と呼ばれるようになる。

『ばっちゃん~子どもたちの居場所。広島のマザー・テレサ~』は、この中本さんを8年間にわたって取材したNHKディレクターが、子どもたちの置かれた状況や非行に走る背景、子どもたちがやっとの思いで発した言葉や中本さんの行動を参考にしながら、「子どもたちの居場所」について考える一冊となっている。

 大人を信じない子どもたちが、中本さんにだけは心をひらき、「ばっちゃん」と呼び慕う。更生した子どもは30年で200人以上になるというが、なぜ中本さんはこれほど大変なことを続けてこられたのか。

「子どもの顔を見よったらね、せんにゃおれんようになる」

 そう語る中本さんは、2011年に保護司を引退するも活動は継続され、2015年にNPO法人「食べて語ろう会」を設立する。この会員の中には元シンナー少年も名を連ね、中本さんが作った子どもたちの居場所は、次世代へ引き継がれている。

2017年11月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
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