『ひりひり賭け事アンソロジー わかっちゃいるけど、ギャンブル!』
書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます
『わかっちゃいるけど、ギャンブル! ひりひり賭け事アンソロジー』
[レビュアー] 産経新聞社
宇野千代は夫・尾崎士郎の夕食を作らず(何度も)マージャンにのめりこんだと告白し、五木寛之は生活保護を受けつつも車券・馬券を買う権利があると唱える。作家ら38人がギャンブルへの愛を記したエッセーを集めた。
マカオのサイコロ賭博に興じた北杜夫は「今度こそあの賭博場をつぶしてやりたい」と息巻くが、各地で遊んだ柴田錬三郎は「未だかつてカジノを破滅させたギャンブラーは一人もいない」と断じる。つまり、負けた話題ばかり。
チンチロリンの勝ち方を聞かれた色川武大は「ツイているときだけやりなさい」。わかっちゃいるけど…。(ちくま文庫編集部編/ちくま文庫820円+税)