『一九四五 占守島の真実 少年戦車兵が見た最後の戦場』相原秀起著

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一九四五 占守(しゅむしゅ)島の真実

『一九四五 占守(しゅむしゅ)島の真実』

著者
相原秀起 [著]
出版社
PHP研究所
ISBN
9784569836348
発売日
2017/07/15
価格
968円(税込)

『一九四五 占守島の真実 少年戦車兵が見た最後の戦場』相原秀起著

[レビュアー] 産経新聞社

 占守(しゅむしゅ)島は、先の大戦まで日本領だった千島列島東北端の島。この島に終戦2日後の昭和20年8月17日深夜、ソ連軍が侵攻した。武装解除中の日本軍は、「自衛戦闘」として応戦し、ソ連軍に痛打を浴びせた。日本軍の抵抗の激しさからスターリンは、もくろんでいた北北海道分割占領を断念する-。

 ほとんど知られていないが、「日本人の矜持(きょうじ)」を見せ、日本再生のスタートにも位置づけられる戦い。著者は、戦闘に参加した日ソ両軍元兵士らを丹念に取材し、戦いの真実に迫っている。戦場で心身に大きな傷を負った兵士の証言は「後世への遺言」でもある。(PHP新書・880円+税)

産経新聞
2017年12月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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