定年間際に倒れた男 夢の中で人生を振り返る 浅田次郎の新聞連載小説がランクイン

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 12月5日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『陸王』が獲得した。
 第2位は『アラフォー賢者の異世界生活日記(5)』。第3位は『ノーマンズランド』となった。

 4位以下で注目は6位の『おもかげ』。浅田次郎さんが毎日新聞朝刊で連載していた小説が単行本化された。定年の日に地下鉄の中で倒れた主人公。意識の戻らない男を見守る周囲の人の心配をよそに、主人公は自分の人生を振り返る幻覚のような体験を重ねていた。戦後間もない日本から、高度成長期、一途に生きてきた男が自分の人生を問い直す。連載は2016年12月から始まり、今年7月まで続いた。

 刊行を記念し浅田次郎さんのサイン会が東京・大阪 の2会場で開催される。東京は12月18日丸善丸の内本店 にて、大阪は19日紀伊國屋書店梅田本店。詳細はウェブサイトまで。
http://mainichibooks.com/information/book/2017/12/19/post-126.html

1位『陸王』池井戸潤[著](集英社)

勝利を、信じろ――。足袋作り百年の老舗が、ランニングシューズに挑む。埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、百年の歴史を有する老舗足袋業者だ。といっても、その実態は従業員二十名の零細企業で、業績はジリ貧。社長の宮沢は、銀行から融資を引き出すのにも苦労する日々を送っていた。そんなある日、宮沢はふとしたことから新たな事業計画を思いつく。長年培ってきた足袋業者のノウハウを生かしたランニングシューズを開発してはどうか。社内にプロジェクトチームを立ち上げ、開発に着手する宮沢。しかし、その前には様々な障壁が立ちはだかる。資金難、素材探し、困難を極めるソール(靴底)開発、大手シューズメーカーの妨害――。チームワーク、ものづくりへの情熱、そして仲間との熱い結びつきで難局に立ち向かっていく零細企業・こはぜ屋。はたして、彼らに未来はあるのか? (集英社ウェブサイトより)

2位『アラフォー賢者の異世界生活日記(5)』寿 安清[著](KADOKAWA)

暗殺者の正体は意外な人物!? 異世界でもおっさんの怒りは止まらない!(KADOKAWAウェブサイトより)

3位『ノーマンズランド』誉田哲也[著](光文社)

手段は選ばない。神も悪魔もない。彼女がここにいないのだから。またしても同僚の殉職を経験し、心身に疲弊の残る姫川玲子が入ったのは、葛飾署管内で起こった若い女性の殺人事件捜査本部。心機一転、捜査に集中する玲子だったが、すぐに行き詰まってしまう。有力な被疑者がすでに別の所轄に逮捕されており、情報が流れてこないのだ。玲子は、あらゆる伝手をたどり、事件の全体像を探りはじめるが……。「ここは、地獄か?」「ああ。……地獄だ」幾重にも隠蔽された事件の背後には、絶望的な捜索を続けている、孤独な背中があった。(光文社ウェブサイトより)

4位『僕はロボットごしの君に恋をする』山田悠介[著](河出書房新社)

5位『マスカレード・ナイト』東野圭吾[著](集英社)

6位『おもかげ』浅田次郎[著](毎日新聞出版)

7位『月が導く異世界道中(13)』あずみ圭[著](アルファポリス発行/星雲社発売)

8位『キラキラ共和国』小川 糸[著](幻冬舎)

9位『ふたご』藤崎彩織[著](文藝春秋)

10位『蜜蜂と遠雷』恩田 陸[著](幻冬舎)

〈単行本 文芸書ランキング 12月5日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2017年12月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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