少しずつすれ違っていく不器用な人たちの物語 第158回芥川賞候補作『雪子さんの足音』が発売

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 2017年に第158回芥川賞候補作となった木村紅美の『雪子さんの足音』が2月2日に講談社から発売される。また、電子版は1月15日に先行配信される予定だ。

『雪子さんの足音』は、大学時代を過ごしたアパートの大家・雪子さんの孤独死を知った主人公の回想を綴った物語。東京・高円寺のアパートで居間を下宿人に開放して食事や小遣いまで世話を焼く雪子さんとその厚意を鬱陶しく思っていた主人公との微妙な人間関係を描く。

 著者の木村紅美は、1976年兵庫県生まれ。親の転勤に伴い、福岡県、千葉県などに住む。小学校六年生から宮城県仙台市で育ち、現在の実家は岩手県盛岡市。明治学院大学文学部芸術学科卒。書店アルバイト、会社員を経て、2006年「風化する女」で第102回文學界新人賞を受賞しデビュー。2008年「月食の日」が第139回芥川賞候補に。日常を細やかに描く目線と登場人物の心に寄り添う文章で人気を集める。2013年『夜の隅のアトリエ』で第35回野間文芸新人賞候補となる。その他の著書に『見知らぬ人へ、おめでとう』『黒うさぎたちのソウル』『春待ち海岸カルナヴァル』『まっぷたつの先生』などがある。

2018年1月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
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