賞味期限切れの牛乳はいつまで飲めるかに挑み、ピザ2~3人前の“~”に首をかしげる。パック入り納豆の独特の食べ方を披露するなど残すことに罪悪感を持つ著者が食と料理人への愛をつづる。
初出の週刊誌掲載時に話題になっていた事象や、湯あたりし意識もうろうとする銭湯でやっとありついた水道水がおいしかったことなど、引き出した逸話を巧みに食品と絡めていく。
全メニューに副食のように添えられたイラストと俳句が、リズムある文章を引き立てる絶妙な味わいになっている。たとえば「練り物」は《雪国の 泉に白鳥 餌ちくわ》(新潮新書・720円+税)
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2018年1月14日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです