『星の子』
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【武田真樹子・さいたま新都心店】
知人に薦められた水のおかげで子どもの病気が良くなったことから、信仰にのめりこんでいく両親。でははたしてその家庭に産まれてきた子どもは、その信仰から助け出されるべきなのか。幸せのあり方は本当に人それぞれだと考えさせられます。子どものために始めたことだけれども、子どもは成長していく。いつまでも今のままではいられない寂しさと、今のままでいてはいけない葛藤。この物語の親子は、いつかお互いの着地点を見つけられるでしょうか。
【今井麻夕美・新宿本店】
愛や優しさや信仰。その美しさと狂気が同時に伝わってきて、うろたえてしまう。しかもどちらの面も否定されず、フラットにある。それが世界のほんとうだからと。不穏が静謐に響く。誰にでもわかる言葉で、誰にも表現しえない世界を書き、誰でもないあなたの価値観を取り出す。今村夏子はこわい。
「キノベス!」は過去1年間に出版された新刊を対象に、紀伊國屋書店で働く全スタッフから公募した推薦コメントをもとに選考委員の投票でベスト30を決定し、お客様に全力でおすすめしようという企画です。今年は15名の選考委員が全社から集まった応募コメントを熟読し、ベスト30を決定しました。