稲垣吾郎も驚く 大林監督、肺がんの余命宣告「嬉しくなっちゃって」と心境を告白

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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TBS「ゴロウ・デラックス」公式サイトより

 稲垣吾郎さん(44)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」(TBS系)に23日、映画作家の大林宣彦さん(80)が出演した。肺がんで余命半年を宣告された大林さんだが、「嬉しくなっちゃって」と驚きの心境に至った理由を明かした。

■ようやく会えた2人

 大林さんは「尾道3部作」などで知られる映画界の巨匠。80歳になった現在でも作品を撮り続けている。大林さんの登場前に稲垣さんは「大ファンなんで。ゴロウ・デラックスやっててよかった」と監督の出演を喜んでいた。登場した大林さんも「ようやく会えましたね」と口にしながら稲垣さんをハグし、番組冒頭で早速「今度映画出てよ」とオファーをするほど、2人は相思相愛の様子をみせていた。

 この日の課題図書は『大林宣彦の体験的仕事論』(PHP研究所)。大林さんが人生を振り返りながら、その哲学や仕事論を語った一冊だ。番組でも大林さんのこれまでの歩みが紹介された。

 子供の頃から実家の納屋にあった映写機で遊んでいた大林さん。大学在学中から自主映画製作を開始し注目を浴びたという。その後CMディレクターとなり2000本以上のCMを作成。そして会社員としての映画監督しかいなかった時代に、映画「HOUSE」(1977年)でフリーの商業映画監督の先駆者となった。1982年には生まれ故郷である尾道を舞台にした「転校生」を手がけることになる。

 大林さんは「転校生」撮影の直前に「決まっていたスポンサーが直前に降りられまして」とトラブルに見舞われていたことを明かす。「普通のプロ映画監督ならそこで終わりなんですよ。でも僕はアマチュアで映画を作ることで生きている人間ですから、お金がなくても映画を作るぞ」と自身の貯金を切り崩して映画を作っていたことも明かした。

■がん宣告も「嬉しくなっちゃって」

 大林さんは昨年12月に公開された作品「花筐/HANAGATAMI」のクランクイン直前に肺がんの第4ステージであることが判明していた。余命半年だと宣告された大林さんだが、そのときの心境を「身体がフワっとなって嬉しくなっちゃって」と不思議な表現であらわした。

「花筐/HANAGATAMI」は檀一雄の短編小説を映画化したもの。大林さんは40年前に同作を読み、映画化の構想をはじめ、原作者の檀と会ったという。実はそのとき檀は今の大林さんと同じく肺がんを患い第4ステージの状態だった。大林さんは「そこと繋がっちゃったんですよね」と檀と同じ境遇に陥ったことを喜び、「あの戦争中を生きた方たちの断念や覚悟や痛みを少しは理解できて描けるんじゃないか」「よかった同じ肺がんになって」と深刻な病気でさえも良い方向へ受け止めた理由を穏やかな口調で明かした。

 稲垣さんも「今このタイミングでこの歳で、去年色んなことがあって」と自分の人生を振り返りつつ、「今こうやって大林監督の貴重なお話を伺えて、初めてお会いできたことに何かすごく意味があるのかなと思いました」と出会いに感謝をあらわした。大林さんも「結びついていくのが僕達の仕事。世界中が結びつけば、平和になる」と温かい言葉で受け止めていた。

「ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58から放送中。次回の放送は3月1日。ゲストは女優の岸惠子さん。課題図書は『愛のかたち』(文藝春秋)。公式サイトでは予告動画を配信中。
http://www.tbs.co.jp/goro-dx/

Book Bang編集部
2018年2月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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