33歳で俳句をはじめ、「サンキュー」をもじった俳号で「十七文字の魔術師」とも称された大胆、モダンな新興俳句の旗手、西東三鬼(1900~62年)。
本書は初期の代表作〈水枕ガバリと寒い海がある〉などを収めた『旗』、〈中年や遠くみのれる夜の桃〉を含む『夜の桃』など全5句集に拾遺、初句・季語索引、さらに「初学の人々のために」と記した貴重な自句自解を収録した。
没後半世紀を経ても高い人気を誇る三鬼。とくに光彩を放つデビュー当時を中心に取り上げた解説(小林恭二氏)も分かりやすく、ファンにはうれしい。(角川ソフィア文庫・1240円+税)
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2018年2月25日 掲載
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