【手帖】学年誌記事振り返り、夢と希望を

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 小学館発行の『小学一年生』など学年誌の記事からニュースや流行を紹介した『学年誌が伝えた子ども文化史 昭和40~49年編』(小学館・1200円+税)が発売された。子供向け総合誌として幅広いジャンルを扱った誌面と、その後の動きも解説。読者世代だった今の50代はもちろん、若い世代にも受けそうだ。

 記事は昭和40年代の『小一』~『小六』全720冊から厳選。「2大トピックス」のアポロ11号月面着陸と大阪万博、「重大ニュース」で沖縄返還、パンダ初来日、日本人のノーベル賞受賞、オイルショック、札幌五輪…。未来予測や人物・流行などのテーマもある。

 当時の誌面は写真や図解、イラストなどビジュアルに富み、子供の目線になった独自の切り口で新鮮。たとえば、ブームになった「UFOと宇宙人」では〈これが空とぶ円盤だ!!〉と、目撃証言(?)をもとにした図解が登場。オイルショックには〈あと19年で石油がなくなる?〉〈自動車も走れなくなって、馬が移動手段に〉。「子どもたちの趣味と遊び」として切手収集やオーディオのほか、イラストで〈伝書バトをかおう!〉も。

 「当時の誌面すべてに目を通しましたが、もう楽しくて」とは、編集担当で、自身も40年代生まれの畭(はり)俊之・小学館出版局学芸編集室編集長。

 同社の学年誌は大正時代に小学生全学年で創刊。現在、『小一』以外は休刊だが、昭和40年代は48年の『小一』1月号が128万部と歴代最高の発行部数を記録するなど最盛期だった。畭編集長は「日本が元気で夢、希望があふれた時代の熱気を学年誌を通じて感じてほしい」と話している。

 なお、45年の『小学二年生』6月号付録を復刻した「組立て 万国博大パノラマ」もお楽しみだ。(三保谷浩輝)

産経新聞
2018年2月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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