仕事においては「学歴や能力の差」なんて取るに足らないもの――それよりももっと大事なことがある

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photo by chachamal/Fotolia

「あなたのその一生懸命さが、努力が、汗が、無駄にならず報われるようにするには、仕事においてどのようなことを心掛けたらいいのか、どういうことに気をつけたらいいのでしょうか」と語りかけるのは、「経営の神様」といわれた松下幸之助(松下電器産業株式会社《現・Panasonic》創業者)を23年間側近として支えた後にPHP総合研究所の社長となり、参議院議員も務めた江口克彦さんです。

江口さんは新著『働き始めた君に伝えたい「仕事の基本」』において、新社会人や若手のビジネスマンに向けた22のアドバイスを送っています。それらは小手先のビジネススキルではなく、「仕事」と「人間」への深い洞察から導き出された、幸せな人生を送るための大切な指針と言えます。ここではそのエッセンスを、少しだけ紹介します。

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能力はほどほどでいい

働き始めた新社会人の一番の不安は、「仕事をうまくこなせるだろうか」ということではないでしょうか。自分の能力や性格に自信が持てず、少し上の先輩や学歴が高く仕事もできそうな同僚と自分を比較して「あの優秀そうな人たちにはかなわない」と、理由のない劣等感を抱いて萎縮してしまう。

そんな若いビジネスマンたちに江口さんは、「能力なんてほどほどでいい」と教えます。

経験的に、若いうちは能力の差があるとは言えないと実感しています。

まあ、若いときに能力があるとしても60点ぐらい。能力がないと言っても50点か40点ほど。その差は10点か20点。その程度です。

ですから、他人と比較してコンプレックスを感じ、みずからを卑下する必要はまったくありません。

(『働き始めた君に伝えたい「仕事の基本』98ページ)

学歴も仕事とは関係ありません。江口さんが仕えた松下幸之助は、小学校を4年で中退しています。スティーブ・ジョブズもビル・ゲイツも大学を中退。世界的建築家の安藤忠雄氏も高卒ですが、いまでは東大の特別栄誉教授として東大生を教えています。いわゆる三流と言われている大学の出身者でも、一流企業の経営者になっている例はいくらでもあります。

彼らには何があるのでしょうか。それは「滾(たぎ)るような熱」です。熱意こそが能力を引き出し、他を圧倒する成果をあげたのです。

熱意があれば、どうにかして課題を解決しようという知恵も出てきます。たとえ自分一人では行き詰ったとしても、熱意を感じた周囲の人が力を貸してくれて、急な階段でも上ることができます。

ですから、自分の学歴や能力の低さを嘆く前に、「滾(たぎ)るほどの熱意」を持っているかどうかを自らに問うてみることが大事だと、江口さんは言います。能力に自信がなくても、「よし、とにかく全力で仕事に取り組んでみよう」という「熱意」さえあれば、学歴や能力に胡坐をかいている同僚を追い抜くことができるからです。

人並み以上の熱意こそ、あなたの仕事を成功に導き、なによりあなたの心を満足感と達成感で満たすことになるのです。(107ページ)

「かくれんぼう」を大事にする

「ほうれんそう(報告・連絡・相談)を大事に」というのはビジネスマンなら誰でも聞いたことがあるでしょう。しかし江口さんは「ほうれんそう」では成長しない、と言います。なぜなら、たとえば指示された仕事をすすめていく途中で壁にぶつかったとき、解決策を考え抜くことなく上司に「どうしましょうか?」と相談ばかりしているようでは次につながらないからです。

困ったら相談する。「どうしましょうか」「どうすればいいのでしょうか」では、いつまでたっても自立なき労働者」です。

そうではなく、「自主独立の気概を持ったビジネスパーソン」にならなければ、社内で認められるようにはなりません。(90ページ)

日本実業出版社
2018年3月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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