5月7日(月)に発売された文芸誌「新潮」(2018年6月号)に、小説家で翻訳家の谷崎由依の新作「藁の王」が掲載された。
「藁の王」は、大学で講義を行う小説家を主人公にした物語で、講義が執筆を脅かし、やがて文学の深淵を覗かせる作品となっている。著者の谷崎は、1978年福井市生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了後、英米小説の翻訳や校正を手がける。2007年に「舞い落ちる村」で文學界新人賞を受賞し、小説家としてデビュー。2015年に近畿大学文芸学部講師となり、2017年に発表した『囚われの島』は第39回野間文芸新人賞候補となる。翻訳家としても活動を続け、これまでにジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』やコルソン・ホワイトヘッド『地下鉄道』などの翻訳作品を発表している。
また、本誌では高村薫による文学状況論「小説の現在地とこれから」や日和聡子が描く期待と恐れが交錯する幻想譚「ともだち」、柴崎友香によるアメリカ滞在の連作で第7作目となる「ニューオリンズの幽霊たち」、岡田利規の「〈映像演劇〉宣言」、池田純一の「映画から動画へ――「スター・ウォーズ」の40年史」が掲載、上田岳弘による連載小説「キュー」は今号で最終回を迎えた。
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2018年5月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
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