稲垣吾郎も「絶対行きたい」とハマる 春風亭一之輔の語る「寄席」の魅力[ゴロウ・デラックス]

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TBS「ゴロウ・デラックス」公式サイトより

 稲垣吾郎さん(44)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」(TBS系)に1日、落語家の春風亭一之輔さんが出演した。一之輔さんの語る寄席の魅力に稲垣さんもすっかりはまった様子をみせた。

■「まくら」だけでも本になる

 この日のゲストは今最もチケットが取れない人気落語家の一人の春風亭一之輔さん。古典落語に現代風のアレンジを加え、見るものを一気に引き込む話芸の持ち主だ。34歳で真打ちに昇進し、人間国宝十代目柳家小三治も「久しぶりに見た本物だな」と絶賛するほど。

 一之輔さんは落語の実力もさることながら、ネタに入る前の旬な話題や日常をテーマにした「まくら」が面白いと評判。このたび一之輔さんは「まくら」だけをまとめた一冊を出版した。この日の課題図書『いちのすけのまくら』(朝日新聞出版)だ。

 稲垣さんは「最近すごい落語に興味があるので」と楽しみにしているところに一之輔さんが登場。稲垣さんと番組アシスタントの外山惠理アナウンサーの2人だけを前に「やりにくいったらありゃしない」とぼやきながらも妻とのやりとりをネタにした見事なまくらを披露し番組は始まった。

■寄席の魅力

 一之輔さんは稲垣さんに、普段まくらをどうやって考えているのかと問われ、「電車のなかで変な行動をしている人をメモしたり」家族の行動もネタになるという。子供を題材にした噺では小学4年生になる次男が「馬鹿でネタになる」と身近なところから題材をみつけていることを明かした。

 また落語家を目指すきっかけとなった、寄席の魅力についても語られた。学生の頃に浅草演芸ホールに入り、朝から晩まで行われる芸と、その場を楽しむお客さんの雰囲気に魅了されたという。「普通のエンターテイメントとは違う。ゆるーいふわっとした空気で、最終的にはお客さんは満足して帰っていく」「子供は行かないし、自分だけ見つけた大人の空間」「秘密の遊び場」と感じ、その場で見た落語家の姿が「かっこいい」と魅了され、自分も出たいと憧れた、と当時を振り返った。

■演じるネタはその場で決める

 番組では日夜高座で忙しい一之輔さんに一日密着した様子が放映された。

 当日演じるネタはその場で決めるという一之輔さん。この日最初の高座では客席に中学生が多く見えたため、父と息子のやり取りが楽しい「初天神」を披露した。「初天神」を選んだ理由を「中学生にもわかりやすい噺。また来たいなと子供が思ってくれるような、確実に笑ってもらえる噺をやるのが自分の役割」と語る。

 また別の高座では「重い」客を前に「ちょっと起こさなきゃいけない」と陽気な笑いの多い噺を選ぶ。噺の選択について一之輔さんは「二つ三つ考えながら(高座に)上がり、まくらを喋りながら、今日はこれだな」とその場の客の反応をみながら演じるネタを選ぶという。また前後の演者が演じるネタも考慮し、「一人が目立っちゃいけない」「個人なんだけど寄席の場合はひっくるめて。トリが一番喝采を浴びないといけない」「野球の打順といっしょで、役割が出番によって決まっている」と寄席だけにある独特な流れの魅力についても解説した。稲垣さんは「客の状況によってネタを選ぶ、そんなステージって他になくない?」と感心していた。

 番組最後に今後どんな落語家になっていきたいかと問われた一之輔さんは、「最終的には1日1回寄席で落語を喋って生きていければいい」「寄席に出続けるって言うのが一番の目標」「そのためにはこういうの(本)も、今のうちにお金を稼いでおかなければ」と笑った。稲垣さんは最後に「面白かった。絶対(寄席に)行きたい」とすっかり一之輔さんの話芸に魅了された様子だった。

「ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58から放送中。次回の放送は6月7日。ゲストは鴻上尚史さん。課題図書は『不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したのか』(講談社)。公式サイトでは予告動画を配信中。
http://www.tbs.co.jp/goro-dx/

Book Bang編集部
2018年6月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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