全国で読み聞かせ活動を行う絵本作家サトシンさんと、パパ絵本専門士3名によるお話会が5月に神保町ブックハウスカフェで行われました。絵本ファンで盛り上がったイベントの様子をレポートします。
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全国各地で絵本ライブを行なっているサトシンさん。このイベントでも、お話だけでなく賑やかなライブを織り交ぜて、子どもたちの心をしっかりと掴んでいました。読み聞かせでは、本のタイトルを怖い話のようにおどろおどろしく読み上げてから「あ、 怖いお話じゃないんだけどね~」と話して子どもたちの気を引いたり、前のページで書かれていたことを子どもたちに質問して復習したりと、会場とのやりとりもふんだんで大盛り上がり。
トークでは、絵本にかける熱い思いをわかりやすい言葉で語って大人たちをも惹きつけ、ひとときも飽きさせません。喜ぶ子どもたちの反応を見て「おもしろかった!と言ってくれる声に元気をもらってます」と語る姿も印象に残りました。
絵本専門士との掛け合いで読み聞かせの面白さ倍増!
このイベントでは、絵本専門士とのコラボで読み聞かせをしたことも注目を集めました。登場したのは3人の絵本専門士。普段は幼稚園教諭をしているという大河原 悠哉さんは、『おれたちはパンダじゃない』(アリス館)を、サトシンさんとの掛け合いで読み聞かせ。人気者になりたくてパンダに変装するクマたちは、最後にその正体がわかってしまいます。そのオチの部分で2人の声が見事に揃って面白さ倍増! 大きな拍手が送られました。
一方、成長する喜びが描かれた『はやくおおきくなりたいな』(佼成出版社)では、普段は保育園の先生とバレーボール部の講師をしているという内田 大樹さんが、幼虫が大好きな男の子・けんちゃんのセリフを少年らしい元気な声で読み上げて、子どもたちを釘付けに。そして、子どもが好きで図書館でも働いたことがあるという広辺 和隆さんは、家族をテーマにした絵本『ごめんなさい』(ポプラ社)を読み聞かせ。お父さんやお母さんに叱られながも自分の気持ちを主張する子どもたちの一つひとつ異なる気持ちを情感たっぷりに読み上げ、子どもたちはもちろん、家族の人たちの心も掴んでいる様子でした。
3人の読み聞かせを聞いたサトシンさんは「みんなそれぞれの味があってバッチリ!」と話し、「読み聞かせは感情をあまり出さず、読み手があまり前に出ないように読むのがいい、と教えられることもあるようだけど、人間は感情があるのが当たり前。子どもたちを楽しませようと思った時に、声に気持ちが乗っちゃうことこそ自然では」と、家族の人にも参考になるような読み聞かせ観を語りました。まさに、サトシンさんの読み聞かせには、子どもを楽しませるための工夫が詰め込まれています。また、絵本専門士が3人とも男性だったことから、「女性、お母さんだけでなく、男性、お父さんにも絵本の読み聞かせをどんどんやってほしい」ともお話されました。
『ふしぎなあおいふく』を目の前まで見にくる子どもも
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- ふしぎなあおいふく
- 価格:1,430円(税込)
最後の一冊は、新作の『ふしぎなあおいふく』(ポプラ社)。新しい服を着たら魔法が使えるようなウキウキした気分になってしまうというストーリーで、サトシンさんは「想像することの楽しさや、一歩踏み出すことの大事さ、そして成長の喜びを感じてほしい」と紹介。魔法が使えるシーンでは、客席に「何ができるようになると思う?」と問いかけ、「お菓子がいっぱい食べられる」という回答で見事に正解したお母さんには会場から大きな拍手が。ワクワクするお話に夢中になって、サトシンさんの目の前まで絵本を見にくる子どももいました。
面白い本、子どもたちの成長が感じられる本、感動する本など、それぞれに異なる魅力を持つサトシンさんの絵本の楽しさを、ライブ感たっぷりに味わうことができたイベント。サイン会では、列をなす子どもたちと1人ずつお話して、1冊ずつ丁寧にサインをする姿も見られ、最後まで子どもたちを楽しませていました。
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