【話題の本】『定年前後の「やってはいけない」』郡山史郎著

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■極意はずばり「働く」こと

 昨今の定年本ブームに乗ったとはいえ、4月の刊行ですでに10刷7万部突破は想像以上の売れ行きだという。著者はソニーの役員まで勤め上げた後、69歳で人材紹介会社を設立。83歳の現在も現役社長として活躍している。

 これまで3000人以上の転職、再就職の希望者と面談してきたが、そんなプロの目で見た定年後のあるべき姿を説いているのがこの本だ。幸せな老後を送る極意は、ずばり「働く」こと。それも定年前の収入や職種にこだわり、再就職先を待ち続けるのではなく、ブランクを空けずに何にでも挑戦するのが吉だと強調する。年金制度の破綻など、とかく高齢者にとって先行き不安な予測が飛び交う時代にあって、楽観的な事例の数々は明るい希望に満ちあふれる。

 「辛口ながらも前向きの提言なので、読んで元気が出たという声が多い。当初は50歳前後の読者を想定していたが、売れ行きが伸びるにしたがって、40代の人も手に取ってくれているようです。定年前後の人材紹介は未成熟で、自力で頑張らなくてはならない。ぜひ参考にしてもらえたら」と、編集を担当した青春出版社グループ・プライム涌光(わこう)の深沢美恵子さんは話している。(青春出版社・950円+税)

 藤井克郎

産経新聞
2018年7月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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