「全ての表現は“自己表現”だ」北方謙三が力説 小説に込めた自身の“祈り”も告白[ゴロウ・デラックス]

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TBS「ゴロウ・デラックス」公式サイトより

 稲垣吾郎さん(44)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」(TBS系)に27日、作家の北方謙三さんが出演した。最新作でチンギス・カンを描いた北方さんが資料のない人物をどう描くかについて語った。

■北方謙三がつくりあげた「チンギス・カン」

 この日の課題図書は『チンギス紀』(集英社)。ファン待望の北方さんの歴史大作新シリーズの1巻『火眼』と2巻『鳴動』が同時発売となっている。今作で物語の題材となったのはモンゴルの英雄チンギス・カン。1巻ではその生まれから激動の生涯の始まりとなる異母弟殺しが描かれ、2巻では自らの勢力の旗揚げと最初の戦いが描かれる。

 北方さんは執筆期間17年51巻に及んだ中国歴史小説「大水滸伝シリーズ」を書いている最中に今作の執筆を決めたという。しかしチンギス・カンについて記録されている資料は非常に少なく、しかも40歳ぐらいまでの生涯はまったくわかっていないという。そこで北方さんが採ったアプローチは、自身が「どんな人物であって欲しかったか」を描くという手法だった。

 北方さんはチンギス・カンが領土を広げた理由を「戦をなくそうとしていた」からだと想定し物語を作り上げた。今作を「戦をなくすために戦をするという、見果てぬ夢を見た男の話」と称し、「小説というのは心の中に一つの“祈り”を持って物語を構成しないと小説の意味が少なくなると思います」と自身の壮大な“祈り”をも込めた一作だと明かした。

■表現は“自己表現”だ

 北方さんは登場人物のキャラクターを描き分けるとき、全ての登場人物に自分自身を当てはめるという。「例えば卑怯なやつがいた時に、その卑怯な心境の一部分が自分だったりする」と全て自分自身のなかにある一面があらわれたものだと語る。そして「表現は“自己表現”なんです。稲垣さんが役柄の芝居をやる。そうすると役柄を通してどこかで自分を表現する」とすべての表現は自分を投影したものだと解説した。稲垣さんも「人って生きてるってそういうことですよね。表現者じゃなくてもそうなのかもしれない」と賛同し、大きく頷いていた。

■発言の切り取りは怖い

北方さんは稲垣さんが北方作品の良い読者ということもあり、番組中終始上機嫌。話題は生死の境をさまよったという危険な話から、さらには音楽にお酒と様々な方向に転がりながら「テレビは怖い」という話に。以前北方さんがトーク番組に出演した際、「『銀座の女と付き合う時は2万円でも3万円でもいいからパンツの中に突っ込んでおけ』と『先輩が言った』と言うと」先輩が言ったという部分は放送されず、OA上では北方さんが言ったことのようになっていたという。その結果「銀座に行ってみんなに責められてたね」と被害を被ったことを明かした。稲垣さんはテレビに限らず「Yahoo!ニュースとかでね!」とマスコミを通した発言の切り取り全般に警戒感をあらわしていた。

「ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58から放送中。次回の放送は8月2日。ゲストは漫画家のヤマザキマリさん。課題図書は『オリンピア・キュクロス』(集英社)。公式サイトでは予告動画を配信中。
http://www.tbs.co.jp/goro-dx/

Book Bang編集部
2018年7月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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