『テルマエ・ロマエ』で一世を風靡したヤマザキマリ 最新作のテーマはオリンピック![ゴロウ・デラックス]
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稲垣吾郎さん(44)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」(TBS系)に3日、漫画家のヤマザキマリさんが出演した。ヤマザキさんが仕事場を公開し、創作の秘密を明かした。
■最新作のテーマはオリンピック!
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- オリンピア・キュクロス = ΟΛϓΜΠΙΩΝ ΚϓΚΛΟΙ 1
- 価格:660円(税込)
この日の課題図書は『オリンピア・キュクロス』(集英社)。オリンピック発祥の地・古代ギリシャの青年が1964年のオリンピックに沸く東京にタイムスリップ。日本の運動会や文化を体験し、そのアイデアを古代ギリシャに持ち帰り、「運動」を発展させていく物語だ。ヤマザキさんの出世作『テルマエ・ロマエ』を彷彿とさせる構造だ。
■最新のデジタル作画設備を導入
番組ではヤマザキさんの仕事場を訪れ、ヤマザキさんの仕事道具や創作の秘密に迫った。ヤマザキさんは先進的な漫画制作の仕組みを取り入れており、iPadで漫画原稿を描いているという。アシスタントはヤマザキさんの仕事場にはおらず、それぞれ各自の仕事場に待機しており、インターネットを介しデータをやり取りしながら協力して制作をすすめている。現在東京とイタリア、ポルトガルの3箇所に家と仕事場があるというヤマザキさん。iPadであればそこを行き来する移動中の空港や飛行機のなかでも作業ができ、さらには「トイレで用を足しながら」でも描けると笑った。以前は紙の原稿をイタリアと日本でやり取りしていたため、とても苦労していたという。しかし今では「締切の30秒前に送ればいい」「楽ちんですよー」とデジタル作画の便利さを力説した。
「ちょっとなにか描いてもらいたくない?」と稲垣さんがねだると、ヤマザキさんはiPadであっという間に稲垣さんの似顔絵を作画。それを見た番組アシスタントの外山惠理アナウンサーは「カッコイイ~、しかも」と普段の稲垣さんよりもよく描けているかのように絶賛。それに対し稲垣さんは「しかもカッコイイって! 見た目で30年やってきたのに」と笑いながら抗議していた。
■壷絵は漫画だ
ヤマザキさんは仕事場の本棚に並んだ手塚治虫さんの漫画や水木しげるさんの「河童の三平」が創作の手助けになっていると告白。またリビングには古代ギリシャの壷が並んでおり、そこに描かれた「壷絵」も今作の参考になっているという。ヤマザキさんは壷絵が現代でいう漫画のような役割をしており、そこには当時の流行や運動、恋愛ストーリーなどが描かれ、「これがあるから私たちは今ギリシャの歴史がわかる」と解説した。また少女漫画のような絵柄の壷絵を紹介し、日本人との共通点をあげながら「ギリシャのことは、これからオリンピックもあるから、もっと知ってもいいんじゃないかな」と語った。
■ギリシャにコンプレックスがあったローマ人
ヤマザキさんは『テルマエ・ロマエ』で古代ローマを描き、今作ではそれよりもさらに500年ほど時代を遡った古代ギリシャを舞台にしている。もともとギリシャは「好きでもなんでもない」というヤマザキさんだが、ローマを掘り下げていくと「やっぱりギリシャにたどり着いちゃうんです」という。古代ローマの人々はギリシャに憧れとコンプレックスを抱いており、知的な職業は皆ギリシャ人が締めていたという。古代ローマが「資本主義的な生産性に傾倒」していた一方、古代ギリシャは「精神性の豊かさを養う土壌」だったと比較し、現代のアメリカとヨーロッパの関係に似ていると解説した。稲垣さんは「アメリカはわかりやすいですね、ちょっとヨーロッパ文化に憧れを持ってたりとか、あんな感じなんですね」と納得していた。
「ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58に放送中。次回の放送は8月9日。ゲストは第159回直木賞を受賞した島本理生さん。課題図書は『ファーストラヴ』(文藝春秋)。公式サイトでは予告動画を配信中。
http://www.tbs.co.jp/goro-dx/
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