吉岡里帆に細田守、“文アル”キャラも登場! 出版社の熱い戦い「夏の文庫フェア」

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fair2018_1集英社「ナツイチ」公式サイトより

「今年も夏がやってきた…!」毎年各社が力を入れる「夏の文庫フェア」。新潮社・集英社・KADOKAWAの三社による読者の裾野を広げるため、そして新たな年代層のファンを取り込むため、の熱い戦いが今年も火蓋を切りました。
各社、マスコットキャラクターやコラボ作品が書店用の販促物や帯など、各所に登場し「夏の文庫フェア」の特別感を盛り上げています。

■海辺で読書を楽しむ吉岡里帆の正体は…

fair2018_2(左)夏目漱石『こころ』(集英社)は吉岡里帆をイメージキャラクターに起用、(右)新潮文庫は『文豪とアルケミスト』とのコラボカバー。

 集英社「ナツイチ」は創刊40周年を機に登場したしろねこ「よまにゃ」とタレントの吉岡里帆をイメージキャラクターとして起用、特設サイトにてスペシャルムービー「よまにゃ。」が公開されています。海辺で読書を楽しむ吉岡里帆の正体は一体…? 詳しくはムービーをご覧ください。『こころ』(夏目漱石)、『欲しい』(永井するみ)、『短編工場』(集英社文庫編集部編)の3冊は吉岡里帆の特別カバーで展開されています。海や水辺を背景にした涼感あふれるカバーはファン必見です。

 KADOKAWA「カドフェス」はマスコットキャラクター「ハッケンくん」と共に今年7月公開、細田守監督作品の『未来のミライ』が文庫売り場を盛り上げています。書店では販促用ムービーも流れています。目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。特別カバーにはTVアニメ・映画化と勢いの止まらない『文豪ストレイドッグス』(「ヤングエース」にて連載中)が登場しています。『李徴・山月記・弟子・名人伝』(中島敦)、『人間失格』(太宰治)、『セロ弾きのゴーシュ』(宮沢賢治)、『高野聖』(泉鏡花)4作の表紙が漫画家・春河35の描く魅力的なキャラクターで彩られています。

「新潮文庫の100冊」はマスコットキャラクターのキュンタを中心にフェアを展開し、SNSと連動した企画を今年も実施しています。「純金キュンタしおり」が抽選で当たるこちらのキャンペーンは昨年大好評を博し、今年も「#キュンタ大作戦」のハッシュタグでTwitter、インスタグラムが賑わっています。また、近年の文豪ブームを盛り上げている『文豪とアルケミスト』とのコラボカバーが登場し、『斜陽』(太宰治)は描きおろしの新規立ち絵、『心に太陽を持て』(山本有三)はなんとゲーム内での実装に先駆けての登場ということで大きな話題となりました。

 三社共に、今までの読者層に加え、新たなファン層を得るための企画が目立ちます。各社のフェア担当者に狙っている読者層について聞いてみるといずれも「小中高生~大人まで」という答えでした。近年のコミックス作品やソーシャルゲームによる文豪ブームもあり、新たに読書に親しむ層が生まれています。各社アニメ映画とのコラボや、読書感想文の書き方を紹介する企画(カドフェス)、人気のティーン誌(「ニコラ」)とコラボした手書きPOPコンクールなど、さらなる読者を開拓したい、という意図があるようです。また、メディアワークス文庫やオレンジ文庫、新潮文庫nexといった比較的新しい、若年層向けのレーベルがいずれの社でも「夏の文庫フェア」のラインナップに組み込まれています。

■1冊買えばその場でもらえる限定グッズ、オンライン限定も!

fair2018_3新潮社「新潮文庫の100冊」は昨年に引き続き、大人気の「二つおりキュンタしおり」が登場

 さて、「夏の文庫フェア」で忘れてはならないのがキャンペーンでもらえるプレゼントです。
毎年楽しみにしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。近年は書店で1冊買うとその場でもらえる、というのが主流になっています。
 集英社「ナツイチ」はシリコン製の「ねこじゃらしおり」を配布。本当に猫がじゃれつく様子の動画や写真もSNSで話題となっています。新潮社「新潮文庫の100冊」は昨年に引き続き、「二つおりキュンタしおり」が登場。キャンペーンの応募に必要なのでぜひ手に入れたいところです。KADOKAWA「カドフェス」は『未来のミライ』や『ペンギン・ハイウェイ』、さらに有名手ぬぐいブランド「かまわぬ」とのコラボカバーがもらえます。対象文庫には『未来のミライ』との特製コラボしおりが挟み込まれているのでこちらも要チェックです。

fair2018_4(上)集英社「ナツイチ」はシリコン製の「ねこじゃらしおり」を配布。(下)ADOKAWA「カドフェス」は『未来のミライ』や『ペンギン・ハイウェイ』、さらに有名手ぬぐいブランド「かまわぬ」とのコラボカバー。

「夏の文庫フェア」は本をお得に買えるチャンスでもあります。複数冊のまとめ買いによってポイントプレゼントのある書店が多数あります。
・HMV&BOOKS online:対象文庫3冊の購入でPontaポイント50ポイントプレゼント
・楽天ブックス:対象文庫3冊以上の購入で楽天ポイント5倍プレゼント
・TSUTAYA:対象店舗で対象の文庫、コミックスを3冊以上購入でTポイント3倍プレゼント、5冊以上で5倍、10冊以上で10倍と買えば買うほどお得になります。
上記は一例ですが、この機を逃さない手はありません。それぞれ期間が決まっているのでご注意ください。

fair2018_5新潮社「新潮文庫の100冊」は、オンライン限定プレゼントも。(左)全110冊購入で新潮文庫の表紙を模した本革のプレミアムブックカバーを、(右)限定プレミアムカバー8冊セット購入で新潮文庫ファンにはおなじみの葡萄のマークをプリントしたミニトートが付いてきます。

 出版社のまとめ買い施策は新潮社のECサイト「新潮オンラインショップ」(http://www.shincho-shop.jp)で見られました。
 今年のラインナップ全110冊の大人買いセット・限定プレミアムカバー8冊セットを販売中です。また、大人気ティーン誌「ニコラ」、姉妹誌「ニコ☆プチ」からもセットが登場しました。大人買いセットには新潮文庫の表紙を模した本革のプレミアムブックカバーが、8冊セットには新潮文庫ファンにはおなじみの葡萄のマークをプリントしたミニトートが付いてきます。

「ニコラ」から登場のセットには大人気のニコモ直筆サイン入りA4生写真、しかもどのニコモの写真がもらえるのかはお楽しみとなっています。「ニコ☆プチ」から登場のセットにはプチモがデザインしたビニール製のブックカバーが同梱されており、ティーン誌2冊から登場のセットには読書感想文を書きやすく、また読みやすさを重視した文庫が選ばれています。夏の宿題にも役立つセット、特に「ニコラ」から登場の文庫セットは編集部が選んだ5冊に人気のニコモ・宮原響(愛称はヒビキ)のお薦め『流れ星が消えないうちに』(橋本紡)が1冊プラスされています。また、『流れ星が消えないうちに』には書店でニコラとのコラボ帯も登場。同年代、また推しのニコモであればなおさら親近感が湧くのではないでしょうか。まずはニコモの推薦作から手にとって読んでみるのも良さそうです。

各社がしのぎを削る「夏の文庫フェア」、この機会に普段手に取らないような作品を選んでみたり、好きな作家の新作をチェックしたり、一度書店へ足を運んでみてください。新たな出会いがあなたを待っています。

各社、夏のフェア特設サイトはこちらから。
・「新潮文庫の100冊」:https://www.100satsu.com/
・「ナツイチ」:http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/
・「カドフェス」:https://features.kadobun.jp/kadofes/
・「新潮オンラインショップ」:http://www.shincho-shop.jp

Book Bang編集部

Book Bang編集部
2018年8月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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