直木賞受賞作『ファーストラヴ』は「謎が解ければいいってことではない」作家・島本理生が語る

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 8月7日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『下町ロケット ゴースト』が獲得した。
 第2位は『ファーストラヴ』。第3位は『むすびつき』となった。

 2位の『ファーストラヴ』は第159回直木賞受賞作。臨床心理士の主人公が父親を殺した女子大生の殺人の動機を探っていくミステリー小説。著者の島本理生さんは10日に放送されたTBS系読書バラエティ「ゴロウ・デラックス」に出演し、同作について語った。同作はミステリの形式をとってはいるものの、主人公が殺人を犯した女子大生に語りかけ、カウンセリングをしていくなかで、「段階を踏んで環菜(女子大生)の心を開く。それによって彼女が自分の過去を整理したり自覚して、本当の自分を取りますところが一番大事。謎が解ければいいってことではない」と解説した。

 島本さんはこれまでにもトラウマを抱えた主人公を描いてきたが、「そういう経験がある人はすごくわかる、でもそういう経験があまりない人は主人公の気持ちに共感できないという声が結構多かった」という。そこで「わからない人にこそわかってもらわないと。小説としてその方がより自分の伝えたいことが伝わるなと思って。それで臨床心理士の視点から環菜の内面を追うという物語にした」と今作の成り立ちについて語った。島本さんともともと知り合いだったという番組司会の稲垣吾郎さんは、島本さんの受賞が「僕も嬉しかった」と語り、島本さんが今作で採用した構造についても「そうか、客観的にね物事が」と理解をあらわした。

1位『下町ロケット ゴースト』池井戸潤[著](小学館)

大人気シリーズ、待望のシリーズ最新刊! 宇宙(そら)から大地へ。いま、佃製作所の新たな戦いの幕が上がる! 2015年に放映されたドラマ「下町ロケット」(TBS日曜劇場)の大ヒットも記憶に新しい、「池井戸潤、絶対の代表作」に待望のシリーズ最新刊が登場!(小学館ウェブサイトより抜粋)

2位『ファーストラヴ』島本理生[著](文藝春秋)

夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか? 臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。(文藝春秋ウェブサイトより)

3位『むすびつき』畠中恵[著](新潮社)

自称「若だんなの生まれ変わり」という死神が、三人も長崎屋に乗り込んできちゃった! その上、前世の若だんなに会ったことがあると言い出す妖が続出? 前世の若だんなって、いったいどんな人だったの?? 妖は長い時を生きる。けど、人はいずれ……。だけど、みんなと一緒なら、明日へ行ける! 大人気シリーズ第17弾。(新潮社ウェブサイトより)

4位『送り火』高橋弘希[著](文藝春秋)

5位『かがみの孤城』辻村深月[著](ポプラ社)

6位『万引き家族』是枝裕和[著](宝島社)

7位『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和[著](サンマーク出版)

8位『最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか』鳳ナナ[著](アルファポリス発行/星雲社発売)

9位『青くて痛くて脆い』住野よる[著](KADOKAWA)

10位『未来』湊かなえ[著](双葉社)

〈単行本 文芸書ランキング 8月7日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2018年8月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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