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- 焔
- 価格:1,760円(税込)
第54回谷崎潤一郎賞が27日に発表され、星野智幸さんの『焰』(新潮社)に決まった。
受賞作『焰』は、日本社会が抱える問題を、自分ではない何かになりたいと望む人々を主人公に鋭く切り込んだ短編小説集。40℃超えの暑さが続く日本を舞台にした「ピンク」、極右思想に染まった人々から糾弾される「木星」、ストレスが原因で泣く人が急増する「眼魚」、金銭ではなく人間の命で価値基準を決める世界「人間バンク」など9編が収録されている。
著者の星野智幸さんは、1965年アメリカ・ロサンゼルス市生まれ。1988年早稲田大学卒業。新聞社勤務後、メキシコに留学。1997年に「最後の吐息」で文藝賞を受賞しデビュー。2000年に『目覚めよと人魚は歌う』で三島由紀夫賞、2003年に『ファンタジスタ』で野間文芸新人賞、2011年に『俺俺』で大江健三郎賞、2015年に『夜は終わらない』で読売文学賞を受賞している。
受賞作の選評は、10月10日発売の「中央公論」(11月号)に掲載される予定。なお、贈賞式は10月9日に東京・紀尾井町のホテルニューオータニで行われる。
「谷崎潤一郎賞」は、中央公論新社が創業80周年を記念して1965年に創設した文学賞。明治・大正・昭和を通じて、幅広いジャンルで活躍した谷崎の業績にちなみ、時代を代表する優れた小説・戯曲に与えられる。第54回の選考委員は、池澤夏樹、川上弘美、桐野夏生、筒井康隆、堀江敏幸の5氏が審査を務めた。
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