『君の唇に色あせぬ言葉を』阿久悠著
[レビュアー] 産経新聞社
昭和の歌謡界などで作詞家、作家として大きな足跡を残した著者が逝って、この夏で11年。本書はこの間、著者の息子、深田太郎氏が父の著書などから「自分に向けてのメッセージ」とも受け止め、「他の誰かにも役立つのでは」と選んだ178の箴言(しんげん)集だ。
〈父というのは子に対して何をしてやれるかではなく、どう邪魔しないかが大切だ〉〈誠実は、損することはあっても負けることはない〉〈重い荷物がいやなら背負わぬこと。背負ってしまったら笑って運ぶしかないだろう〉
生き方の指針にもなる「色あせぬ言葉」の数々にふれたい。(河出書房新社・1150円+税)