【話題の本】『ちひろメモリアル 生誕100年』別冊太陽編集部編

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■妻、母、娘としての素顔に迫る

 子供たちの幸せな情景を描いた絵本画家、いわさきちひろ(1918~74年)の生誕100年を記念し、その仕事や生き方を伝えるムック本の出版が相次いでいる。また、東京駅直結の東京ステーションギャラリー(千代田区)で開催中の回顧展「いわさきちひろ、絵描きです。」(9日まで、その後、京都などに巡回)が話題になるなど、記念展も各地でめじろ押し。今年、その画業に改めて触れた人も多いことだろう。

 いわさきちひろはどんな絵描きで、どんな女性だったのか。別冊太陽は11年前にも、絵本など代表作を網羅したいわさきちひろの特集を刊行しているが、今回は日常や旅先の写真、手紙などプライベートな資料も数多く掲載し、妻、母、娘としての素顔にせまる内容となっている。モーツァルトを好んだこと、米俳優、フレッド・アステアに夢中になったこと。心の支えにした本、大好きなお菓子。そして、子育てや介護に合わせて手を加え続けた自宅のこと…。

 特に興味深かったのは画材へのこだわり。子供の愛らしさをとらえる即興的な線、水をたっぷり含んだ水彩の味わい。彼女の魅力的な絵がいかに生まれたのか、その一端を伝えてくれる。(平凡社・2300円+税)

 黒沢綾子

産経新聞
2018年9月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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