恩田陸の小説『蜜蜂と遠雷』が松岡茉優主演で実写映画化

映像化

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映画『蜜蜂と遠雷』メインカット
映画『蜜蜂と遠雷』メインカット

 恩田陸の小説『蜜蜂と遠雷』が松岡茉優主演で実写映画化されることが22日に発表された。撮影は2018年10月下旬から12月中旬で、2019年秋の公開を予定している。

『蜜蜂と遠雷』は、史上初の快挙となる直木賞と本屋大賞のW受賞を果たした恩田陸の代表作。世界的に注目を集めるピアノコンクールを舞台に、養蜂家の父とともに各地を転々とし、自宅にピアノを持たず、演奏歴やコンテストも経験もない謎の少年・風間塵。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇するも母を亡くして以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜。国内有数のコンクールで5位の実績を持ち、音大卒業後は楽器店に勤務しながらピアノの練習を続ける妻子を持ちの高島明石。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目されるマサル・C・レヴィ=アナトールなど、数多の天才たちの挑戦と成長を描く。

 映画では、亜夜役を松岡茉優、明石役を松坂桃李、マサル役を森崎ウィン、塵役をオーディションで選ばれた新人俳優・鈴鹿央士が演じる。監督は、昨年「愚行録」で長編監督デビューを果たし、新藤兼人賞銀賞、ヨコハマ国際映画祭、日本プロフェッショナル大賞・新人監督賞を受賞している石川慶が務める。

 主演に抜擢された松岡は、映画化の発表に際して「恩田先生の『蜜蜂と遠雷』は、大自然のようでした。寛大で、儚く、残酷で、美しくて。なので、読み終えた時、この作品を映像として表現するのは難しいと思いました。音楽はそれぞれの音がある。実体化した音楽で納得してもらえるだろうか。ピアノやクラシックに興味のない人にも、楽しんでもらえるだろうか。これは戦いだと思って撮影に挑んでいきたいです。見てくれた方の頭に音楽を鳴らしたいと思っています」と意気込みを語った。

 原作者の恩田陸は、1964年宮城県生まれ。早稲田大学卒。1992年に日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年に『夜のピクニック』で第2回本屋大賞、第26回吉川英治文学新人賞、2006年に『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞、2007年に『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞を受賞している。

2018年10月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
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