第9回山田風太郎賞が決定 真藤順丈『宝島』が受賞

文学賞・賞

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 第9回山田風太郎賞が26日に発表され、真藤順丈さんの『宝島』(講談社)に決まった。

 受賞作『宝島』は、第二次世界大戦後の沖縄を舞台にした長編小説。嘉手納空軍基地の襲撃に失敗して行方不明になった友人を追う3人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコの波瀾万丈な人生を描く。

 コラムニストの香山二三郎さんは、《残されたグスクたちの追跡行を物語の縦軸とすれば、横軸をなすのは、その後の彼らの生活劇であるが、著者はありがちな成長劇には止めず、そこに様々な犯罪や事件を絡ませ、ミステリーとしても読ませる》と本作に触れ、《戦後の混沌からコザ暴動を経て返還へと至る沖縄戦後史を奔放な文体で浮き彫りにしながら、逆境にめげず成長、邁進する沖縄人(ウチナンチュ)の姿を活写した超弩級エンタテインメント大作》(波・書評)と評している。( https://www.bookbang.jp/review/article/554895

 著者の真藤順丈さんは、1977年東京都生まれ。2008年に『地図男』で第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー。同年『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞〈大賞〉、『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で第15回電撃小説大賞〈銀賞〉、『RANK』で第3回ポプラ社小説大賞〈特別賞〉を相次いで受賞した。著書に『畦と銃』『墓頭』『七日じゃ映画は撮れません』『しるしなきもの』『夜の淵をひと廻り』などがある。

 贈賞式は、11月30日、東京・内幸町の帝国ホテルで行われる。

「山田風太郎賞」は、戦後日本を代表する大衆小説作家・山田風太郎の独創的な作品群と、その作家的姿勢への敬意を礎に、有望な作家の作品を発掘顕彰するために創設された文学賞。ミステリー、時代、SFなどジャンルを問わず、対象期間に発表され、最も面白いと評価された作品に与えられる。第9回の選考委員は、奥泉光、京極夏彦、筒井康隆、林真理子、夢枕獏の5氏が審査を務めた。

 第6回の候補作品は以下のとおり。

『信長の原理』垣根涼介[著]KADOKAWA
『宝島』真藤順丈[著]講談社
『夏空白花』須賀しのぶ[著]ポプラ社
『滅びの園』恒川光太郎[著]KADOKAWA
『ブロードキャスト』湊かなえ[著]KADOKAWA

Book Bang編集部
2018年10月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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