37年にわたる大河小説を書き終えた宮本輝 稲垣吾郎の仕事にエール[ゴロウ・デラックス]

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TBS「ゴロウ・デラックス」公式サイトより

 稲垣吾郎さん(44)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」(TBS系)に2日、作家の宮本輝さん(71)が出演した。37年にわたって書き続けた自伝的大河小説「流転の海」シリーズを書き終えた宮本さんが、同作に込めた思いを語った。

■37年にわたる大河小説ついに完結

 今週の課題図書は「流転の海」シリーズ全9部。この10月に刊行された『野の春―流転の海 第九部―』で37年をかけた長編連作「流転の海」シリーズが完結した。宮本さんは34歳の時から書き始め、主人公と同じ年齢になってようやくシリーズが完結した。60代になってからは体力的な面での心配もあり、最後まで書き終えられるか不安だったと語りながら、「本当に疲れました」と心境を吐露した。

■猛烈な男・熊吾の人生観

「流転の海」シリーズは戦後の時代を背景に主人公・松坂熊吾の50歳から71歳までを描いた自伝的大河小説。情に厚い実業家・熊吾のモデルは宮本さんの実の父。物語に登場する熊吾の妻と息子も宮本さんの母と宮本さん本人がモデルだ。物語の途中に起こる母親の自殺未遂事件も事実を元にしている。

 番組ではシリーズのストーリーを振り返りながら、時代と宿命に翻弄される熊吾とその家族の波乱の人生を追った。稲垣さんは熊吾が人生の指針を息子に語るシーンを朗読。「お天道さまばっかり追いかけるなよ」と巡る太陽を追いかけるように慌ててふらふらとせず、「お前はここと居場所を決めたら、雨が降ろうが氷が降ろうがそこを動くな。春夏秋冬はあってもお天道さまはお前をまた照らす」と息子に言い含める熊吾。宮本さんはその言葉は父親に実際に言われた言葉だと明かしながら、仕事に例え「どこだって完全に気に入った職場なんてないですよ。嫌なヤツはいるしね。そいつが辞めるまで動くなってやつですよ」と粘り強く仕事に取り組むことの大切さを説いた。

 稲垣さんも深く頷きながら「僕も動きようがなかった」「あまりにも世間様のリアクションが大きかった。天職って思い込んでしまった」とアイドルの道から外れることがなかった自身の人生を振り返った。宮本さんは「誰も経験できない青春ですよ」「これからもずっとそこに座っていてください」とアイドルを続ける稲垣さんにエールを送った。

■父親への親孝行

 完結されてお父様に伝えたいことは、と問われた宮本さんは「(父と母)この2人がいなければ全9巻原稿用紙7000枚の小説は生まれなかった。お父さん、俺、親孝行したやろ?」と感謝をあらわした。宮本さんは刊行記念インタビューで「親父、仇を討ったで」と父親の人生を小説で描ききったことで、宿命に翻弄された父親の仇を討ったという感覚があるとも語っている。
https://www.bookbang.jp/review/article/559384

 同書についてタレントの壇蜜さんは《私にとって幸福とは愛とは何か、何のために生まれたのか、などを考えさせてくれる大切な本です。》と評し、文芸評論家の北上次郎さんは《父と子がいて、男と女がいる。経済があり、政治があり、社会がある。ここには私たちの人生のすべてがある。》と評している。
https://www.bookbang.jp/review/article/559658
https://www.bookbang.jp/review/article/559664

「ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58に放送中。次回は11月8日。ゲストは青柳貴史さん。課題図書は『硯の中の地球を歩く』(左右社)。公式サイトでは予告動画を配信中。
http://www.tbs.co.jp/goro-dx/

Book Bang編集部
2018年11月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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