40代前半で“目覚めた”高嶋兄の“どうかしてる”告白

レビュー

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変態紳士

『変態紳士』

著者
髙嶋政宏 [著]
出版社
ぶんか社
ISBN
9784821144860
発売日
2018/10/10
価格
1,527円(税込)

書籍情報:openBD

40代でSMに覚醒した俳優の想像以上にガチな告白本

[レビュアー] 吉田豪(プロ書評家、プロインタビュアー、ライター)

 高嶋兄がタイトルでもカバー写真でも変態ぶりを前面に出してきた、この本。40代前半でSMに目覚め「僕はついに長年潜在的に求めていた『これだ』と思うものに出合えた。確かに出合いは遅かったかもしれない。でも、物事をはじめるのに早いも遅いもないんです! その分、急ピッチで取り戻さなくては、という勢いも出てきますからね」と言い出すだけあって、想像以上にガチでSMの魅力を語りまくる本だった。

 つまり、「昔僕は女の子のマスカラを舐めとるのが好きでした。手の指を丁寧に舐める、舐めさせるのにハマった時期もあったなぁ」だの、「女の子をエズかせるのもいいんですよ。喉の奥でオエッってさせるのがいい。唾液もエズかせるのもいいけど、そもそも口の中を見るのが好きなんですよ。口腔内フェチっていうんですかね。女の子に『口の中見せて』と言うと、ドン引きされますけど、懲りずによく言っています」だのと、余計な告白を連発しまくり!

 さらには自分が「アナルフェチ」だとか、「僕は普通の挿入には興味はないんです。僕がただひとつ興味があるのは、クスコ(膣鏡)という医療器具を肛門や膣に差し入れて、開いて中を見ること」だとか告白した流れで、「デヴィッド・クローネンバーグ監督のサイコ・スリラー映画『戦慄の絆』は最高なんですよ」と言い出すのもどうかしてる!

 結局、彼の好きな映画が『ソドムの市』や『時計じかけのオレンジ』なのもその変態性によるものであり、「たまに共演女優に『今度クスコ持ってくるから、中見せてよ』と言うんですけど、死ぬほど引かれますよね(笑)」なんてことをやっている彼が「俳優の中で“同志”といえば、数年前から仲よくさせていただいている吉田鋼太郎さん」と言っていることで、高嶋兄夫人を「ヤらせてくれ」と口説いた吉田鋼太郎の幻想も、「そういうの気にしないし、面白いじゃないですか」と言った高嶋兄の幻想も高まるのであった。

新潮社 週刊新潮
2018年11月8日号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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