稲垣吾郎 芥川・直木賞より売れる「新井賞」に驚愕[ゴロウ・デラックス]

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TBS「ゴロウ・デラックス」公式サイトより

 稲垣吾郎さん(45)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」(TBS系)に7日、書店員の新井見枝香さんが出演した。カリスマ書店員といわれる新井さんの売場づくりや本の売り出し方に稲垣さんが注目した。

■本に対する愛情

 この日の課題図書は新井さんの著書『本屋の新井』(講談社)。番組はスタジオを飛び出し、新井さんが務める神田神保町の三省堂書店神保町本店でのロケとなった。新井さんはそこで文芸書を担当しており、お客さんの目を引くように本ごとに独自の展示方法を工夫して展開。立体感のあるポップや本に描かれている内容に沿った展示で紹介し、新井さんが推した本は売れる、と出版業界で注目されている。しかし番組で新井さんは「その本がよくって、売るってことはあまり考えてなかったですね」と語り、本に対する愛情が売り方のこだわりに繋がっていると紹介された。

■作家の本音が聞ける「新井ナイト」

 新井さんは作家の辻村深月さんや道尾秀介さん、コラムニストのジェーン・スーさんなど多くの著者から信頼されており、著者を招いた独自のイベント「新井ナイト」も開催している。新井ナイトは閉店後の店内で行われ、作家の貴重な素顔が見られると話題。これまで300回以上も開催されている。新井ナイトにも出演した道尾さんは番組にVTRで出演し「出版業界が傾いているといわれてますけど、新井さんが難病の子どもを救う医師に見えております。助けられております」と新井さんの取り組みを評価した。

■芥川・直木賞より売れる「新井賞」

 また新井さんは独自の視点で選んだ「新井賞」を2014年に設立。もともとは芥川・直木賞の候補作のなかでも自分が良いと思った本が受賞せず、その本を「新井賞」として並べて置いたところ、新井賞の本が一番売れたという。これまでに8作品を新井賞として選び、独自の帯を作り展開している。『朝が来る』(文藝春秋)で第3回新井賞を受賞した辻村深月さんもVTRで出演し「すごく信頼のできる書店員さん」と語り、担当編集者から新井賞の受賞を知らされて「(芥川・直木賞にノミネートされていなかったが)選んでくれるんだ、と思ってものすごく嬉しかった」と当時の喜びを語った。

■いま一押しは

 また番組では新井さんが「買う本を選べない人のために作った棚」からおすすめの本を紹介。柚木麻子さんの『その手をにぎりたい』(小学館)をあげると、稲垣さんは西加奈子さんが主催するお花見の会で柚木さんに会ったことがあり、「いつも大フィーバーしててすごく面白いキャラクター」「食べ物の小説ばかり書いてるイメージがあった」と柚木さんの印象を語った。また千早茜さんの『男ともだち』(文藝春秋)と『正しい女たち』(文藝春秋)も推した。

 番組最後に稲垣さんは書店でのロケについて、「面白かった。またちょっと本の見方が変わるし、もっと読みたい本が。また本屋さんに来たいね」と書店の魅力を語った。

「ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58に放送中。次回は12月13日。ゲストは木村泰司さん。課題図書は『人騒がせな名画たち』(マガジンハウス)。公式サイトでは予告動画を配信中。
http://www.tbs.co.jp/goro-dx/

Book Bang編集部
2018年12月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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