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- その話は今日はやめておきましょう
- 価格:1,760円(税込)
第35回織田作之助賞が6日に発表され、井上荒野さんの『その話は今日はやめておきましょう』(毎日新聞出版)に決まった。
受賞作『その話は今日はやめておきましょう』は、72歳の昌平と69歳のゆり子のもとに、26歳の青年・一樹が家事手伝いとして通うようになったことにより、徐々に穏やかな夫婦生活が揺らぎ始める過程を描いた作品。
著者の井上荒野さんは、1961年東京都生まれ。1989年に「わたしのヌレエフ」でフェミナ賞、2004年に『潤一』で島清恋愛文学賞、2008年に『切羽へ』で直木賞、2011年『にそこへ行くな』で中央公論文芸賞、2016年に『赤へ』で柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『もう切るわ』『つやのよる』『綴られる愛人』『あなたならどうする』など多数。
贈賞式は、来年3月5日、大阪市中央区の綿業会館で行われる。
「織田作之助賞」は、小説のみならず評論活動でも活躍し、日本文学に一時期を画した織田作之助の生誕70年を記念して1983年に創設された文学賞。対象期間中に刊行された新鋭・気鋭の作家の単行本に与えられる。第35回の選考は、重里徹也さん、芝井敬司さん、高村薫さん、田中和生さん、辻原登さん、湯川豊さんの6氏が務めた。
昨年は、古谷田奈月さんの『リリース』と東山彰良さんの『僕が殺した人と僕を殺した人』が受賞。過去には柴崎友香さんの『その街の今は』(第23回)、西加奈子さんの『通天閣』(第24回)、小山田浩子さんの『工場』(第30回)などが受賞している。
第35回の候補作品は以下のとおり。
『伴走者』浅生鴨[著]講談社
『TIMELESS』朝吹真理子[著]新潮社
『その話は今日はやめておきましょう』井上荒野[著]毎日新聞出版
『青空と逃げる』辻村深月[著]中央公論新社
『地球星人』村田沙耶香[著]新潮社
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