「メガネが売れなくなったら大根売ってもいい」破天荒経営に稲垣吾郎も感銘[ゴロウ・デラックス]

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TBS「ゴロウ・デラックス」公式サイトより

 稲垣吾郎さん(45)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」(TBS系)に1月31日、株式会社オンデーズの社長・田中修治さんが出演した。田中社長が初の著書を小説形式にした理由を語った。

■なぜ小説形式なのか

 この日の課題図書は『破天荒フェニックス オンデーズ再生物語』(幻冬舎)。30歳の若者が倒産寸前のメガネチェーン店を買収し再生させるまでを描いた物語。田中社長の実体験がもとになっており、いわゆるビジネス書ではなく自伝小説のかたちとなっている。

 田中社長が買収を決めた当時のオンデーズは売上が20億円程度にもかかわらず、負債が14億円もあり、「絶対に倒産する」といわれており、買収を誰からも反対されたという。しかし田中さんは数々の改革を行い、わずか10年で年商は10倍の200億円に達し、世界12カ国で展開するまでに成長させた。番組でも同書で描かれた「なついた社員だけえこひいき」「お金がないのに全品半額セール」「資金難でも雑貨チェーン店を買収」「部下が上司を決める総選挙を開催」などの破天荒な改革について解説された。

 またあえて小説形式にした理由も明かされた。田中社長は「メガネはどこで買ってもいっしょ」とお客さんが求めているサービスを追求すると同業他社も同じところに行きつくと解説。そのうえで「じゃあどうやって違いを出すかというと、会社のストーリーを伝えていって、ストーリーのファンになって買いに来てもらいたい。この本もその一環」と会社にまつわる物語を知ってもらいオンデーズに愛着を感じてもらうためにこの方法を採ったと語った。

■失敗も投資になる

 経営を続けるなかで絶体絶命の危機に直面することもあったという田中社長だが、そんな時助けてくれたのは「ムカつく人たち」だったと語る。危機に陥ったとき自分をバカにした人たちの顔を思い出し、「ここで俺が今やめたらあいつらすげえ喜ぶな。その嫌な奴らが笑うのが許せないから一番の仕返しが自分が幸せになること」と彼らのおかげで努力ができたという。

 お笑い芸人の南海キャンディーズ・山里亮太さんも自著『天才はあきらめた』(朝日新聞出版)で、嫉妬や羨望などの醜い感情が努力をするための原動力になると語っており、その共通点に気づいた稲垣さんは「(山里さんと同じには)見えないけどね」と驚く。田中社長は「失敗もその後良くなれば失敗じゃなくて投資になる」と持論を展開した。

■メガネが売れなくなったら……

 番組最後に目指す未来はと問われた田中社長は、ネットで物を買う時代にお店は必要なのかと考えるとオンデーズの店舗は「(お店が)あることによってその地域のコミュニティのハブになるような」存在になればよいと語る。そして「メガネがいらなくなったら、大根売ってもいいし、カバン売ってもいい。でもオンデーズっていう看板の下には魅力的な人たちが世界中にいて、素敵な空間があって、そこに来た人たちが楽しい時間を過ごして、っていうふうなものにするのが僕らの目指してるところ」「眼鏡が売れなくなったら違うものを売れる会社になりたい」と語ると、稲垣さんは「夢があるね」と感銘を受けた様子だった。

「ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58に放送中。次回は2月7日。ゲストは吉本ばななさん。課題図書は『吹上奇譚 第二話 どんぶり』(幻冬舎)。公式サイトでは予告動画を配信中。
http://www.tbs.co.jp/goro-dx/

Book Bang編集部
2019年2月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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